days of cinema, music and food

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A Storm of Swords (Vol. 3)


つい先日に中巻をご紹介したジョージ・R・R・マーティンによる全7部予定の超大作大河戦記ファンタジー、『氷と炎の歌』第3部、『剣嵐の大地』の上中下の内、下巻を読了しました。
のんびり読み進めていたら2週間かかりましたが、相当に面白かったです。
傑作の誉れ高いこの第3部、確かにそうかも。
私自身は、今のところ3→1→2の順に面白かったでしょうか。


作中で珍しく人間の善性を象徴するかのようなサムが表紙の下巻、終盤に益々今後に波乱を呼びそうな展開がてんこ盛りでした。
こ、これですかぁ、びっくり仰天の展開って…。
ティリオンが!とか、姉(さて、誰でしょう)がっ!とか、そして、超まさかの○○○○○がっ!とか。


しかし『ゲーム・オブ・スローンズ』としてTVドラマ化されるのはよく分かります。
大人数の登場人物が入り乱れての、波乱万丈の展開ですから。
危機また危機、一難去ってまた一難、おぉ行けると思ったら大逆転負け…等、起伏に富んだ展開ばかりですから。
各人の浮き沈みも激しい。
というか、殆どの視点人物は苦境に陥ります。
善人も悪人も区別が付かない混沌とした世界で、各人の壮絶な生き残りを賭けた行動っぷりが凄いです。
今までも夥しい血が流れ、死ぬ者が多いシリーズですが、特に本書はその血の匂いが濃厚。
現代の「剣の嵐」そのものでした。
まぁしかし…第1巻では華々しい悪の人物だった美男子ジェイミーの凋落っぷりたるや…。
やはり下半身だけで生きていてはいけないのですね。


このシリーズが面白いのは、恐らく実際の歴史だったら陰に埋もれて語られないであろう、女子供が主に視点人物=主役である事。
男が主役であっても王様といった華々しいものではなく、逆に王を支えるものだったりします。
例外はあるものの、地に足の着いた者による戦乱の世の中体験集とでも呼ぶべき群像劇になっていて、だから読む者に没入感を促すのでしょうね。


さて妻が先に読み始めている第4部も楽しみですが、7-8月に翻訳出版されるという第5部も期待しましょう。
しかしマーティンはもう60歳過ぎ。
早く第6部、第7部を書かないと死んじゃうんじゃないか、と気掛かりです。
ここはスティーヴン・キングが一念発起して一気呵成に書き上げた『暗黒の塔』シリーズのように、頑張って結末まで漕ぎ着けて欲しいものですね。



剣嵐の大地 (上) 〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1876)

剣嵐の大地 (上) 〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1876)

剣嵐の大地 (中)〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1877)

剣嵐の大地 (中)〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1877)


七王国の玉座〔改訂新版〕 (上) (氷と炎の歌1)

七王国の玉座〔改訂新版〕 (上) (氷と炎の歌1)

七王国の玉座〔改訂新版〕 (下) (氷と炎の歌1)

七王国の玉座〔改訂新版〕 (下) (氷と炎の歌1)


もちろん、こちらも期待度マックスですよ♪