108年目の初恋。

第8回えんため大賞・優秀賞受賞作。
女の子の付喪神が宿った築108年の校舎。旧校舎となり、もはや使われなくなってしまった"彼女"の元に、探険がてらやってきた主人公。そして2人は出会って...と言うお話。
校舎と少年の初恋のお話でした。あとがきに、「少年、少女に向けた恥ずかしい物語を書きたい」とありましたが、まさしくそんな展開で、とても初々しくて良い感じでした。
幼馴染とか、気の強い先輩とか、色々とキャラは揃っているんですが、主人公がヒロイン一直線なので、純愛モノとしてまとまっていて、普通に楽しめました。バリバリ三角関係で拗れる話も好きですが、たまにはこういった真っ直ぐな作品も良いですね。
ただ、割と王道を行く展開だったので、ちょっと物足りなかった気も。ラストの読後感は良いんだけど、良い意味で期待を裏切る部分が欲しいなぁとも思いました。この辺は、次回作に期待しますか。