迷い猫オーバーラン!

スーパーダッシュ文庫の新人さん。お人よしの姉と洋菓子店を営む高校生の男子が主人公。姉がある日、1人の少女を拾ってくるところから話が始まります。
主人公の家の洋菓子店でバイトしている幼馴染がいるのですが、これがどこまでも素直じゃなくて、ひたすらにツン。主人公に気があるものの、当然の如くそれとは正反対の態度を取っている訳ですが...その主人公宅に女の子が拾われてきた事で、色々気になって仕方が無い。ヤキモキするけど素直になれなくて...と言う感じの展開でした。
普通に面白かったです。ホント、どこまでも素直じゃないヒロインが、最後の方で見せる本音が素晴らしかった。ここまで素直じゃないヒロインは珍しいかも。これぞツンデレ!! と言いたくなる程、徹底した天邪鬼さです。そんなヒロインが、あんな台詞を口走るとは...いやー良かった。でも、巻頭のカラーイラストで盛大にネタバレしているのがちょっと許せない。ここ見ないで読めば、もっと楽しめたのになー。けど、あのシーンのカラーイラストが見たかったのも確かなので、複雑な気分です。
話の展開としては、特に大きな事件が起こる訳でもなく、拾われてきた女の子が呼び水となって、主人公とヒロインの関係が変わっていくと言う流れ。拾われた女の子にも事情があって、途中には少し青春モノっぽい要素も。皆キャラが立ってて、文章も読みやすくて良かったです。普通に満足でした。
続編も予定されているみたいですが、ここから続けるの? メインヒロインの「あの」一言が聞けてしまったし、とても綺麗に終わってるのに...どうなることやら。