とある飛空士への恋歌 2

シリーズ新刊。空に浮く巨大な島に乗り、島で暮らしながら地の果てを目指す。そんな島で暮らす事となった飛空士学校に通う主人公達のお話の2冊目です。

あまりストーリーは進展していないけれど、代わりにクレアとカル、そしてアリーとの仲が深まった感じの内容。一学生として学校に通う事の出来る喜び、そして仲間と共に笑う喜びを全身で受け止めるかのごとく喜んでいるクレアが非常に可愛らしかったです。しかし本当に楽しそうに過ごしている姿を見ると、逆に辛くなってくる...。カルの正体、そしてクレアの正体。どちらかが明らかになった時点で、この楽しい時間は消えてなくなってしまうような気がしてなりません。現にクレアはカルの事を感づき始めているし...己のもう一つの顔の事を考え、どんどん不安に駆られていく展開が切ない。クレア自身の生い立ちや育ちを考えると、彼女がああなった理由は分らないでもないけれど、カルからすれば復讐の対象でしかない。カルが真実を知った時、一体どうするのか。これが大変気になります。

シリアスな展開も気になるけれど、コメディ的な展開も面白くて楽しめました。アリーメンおいしそうだなーとか、俺もそのカレーが食べたい! とか。アリーとカルのやりとりはニヤニヤが止まりません。カルは本当に良いヘタレだなぁ。また、アリーの当て馬っぽさが若干抜けたかなと言う気もしたり。未だ勝ち目は薄そうだけど。後、着水したシーンの展開がとても『追憶』っぽくてニヤリとしたり。狙ってやっているんだろうけど、なんとなく嬉しかったです。

と言う事で、今回も楽しく読めて満足。気になる終わり方をしているし、続きにも期待。