黄昏色の詠使い 10

シリーズ完結巻。

皆自分の目的をハッキリとさせ、覚悟を決めて前へ進む。書いてしまえばこれだけないんだけど、それがどれだけ格好良く目に映る事か。1冊通して、何度グッときたのか分からないぐらい、あちこちで泣かされました。クルーエルを救うと決めたネイトを筆頭に、レフィス、エイダ、そして敵役まで。必死に戦って戦って戦っているのに、全くギスギスせず、むしろ誰かが見守っているかのような優しい印象を受ける、不思議な雰囲気に包まれた展開が素晴らしかったです。こんなにまで相手を想い、必死になる作品だったからこそ、幸せな結末以外待っているはずがない...と信じて読めたからなのかも知れません。

また個人的には、エイダの詠を再び聞けた事がとても嬉しかったです。2巻だったと思うのですが、彼女の祓名民としての詠を読んで奮えたのがこのシリーズを好きになったキッカケ。そのキッカケにこうして再び、しかも最終巻で巡り会えた事に感謝。しかもアルヴィルとの連奏!! また泣かされたよ...。クルーエルもネイトも好きだけど、一番好きなのはエイダだなぁ。

そして最後は見事な大団円。読んで良かった...と思わせてくれるシリーズでした。満足!! 次回作にも期待しています。