漂う書庫のヴェルテ・テラ 4

前巻で第一部完となった本シリーズ。無事に第二部開始。と言っても、次の巻で完結だそうです。
話の展開が微妙に早くて、そろそろ結末なのか...と言う雰囲気が随所に感じられる構成。力を蓄えるために焚書の邪魔をし、五賢七書の情報を集めるジグウォル。「親友を殺した」「リシェルを傷つけた」等々、「自分が守れなかった = 自分のせい」と考えてしまうジグウォルの優しさから、周囲は彼を誤解する。そこから生まれるすれ違いは寂しい限り。全巻はそんな思いで一杯でしたが、この巻で徐々に一気に誤解が解けて一安心。お陰で話の展開が早いぐらいに感じましたが、次の巻で完結なら、このぐらいのペースじゃないと最後まで終わらなさそう。
聖堂側も本気でジグウォルを抹殺しようと動き出す展開が怖いです。終盤、プルガトリア王国にまで聖堂の手が伸び、外堀からジグウォルの居場所が奪われていく。まだジグウォルはその事を知らないけれど...これは怒るなぁ。怒るなんてレベルじゃなくて怒るなぁ。放っておけば周りを顧みずに暴走しそうな気がしてなりません。レジィナが上手く止めてくれると良いんだけど。怒りに身を任せて破滅だけはして欲しくない...。
これで残るは後1冊。どう完結させてくれるのか非常に楽しみです。幸せな結末が待っていると良いけど。