3分間までの。


ポットに水を注いでから待つ沸点。
じわじわと寄り添っていく事のように。
ただひたすら待つ事と、それに慣れてしまったという事。
お湯が沸くまでの間に言葉は要らない。
ただそれだけしかないのだから。
ゆっくり、ゆっくりと。



東京に出た仲間は頑張っているのかな?
どこにいてもそれぞれの生活を上手くやっているのかな??
オレは対等に胸を張れるくらい頑張っているのかな?
昨日から今日、明日へと毎日バトンを渡してる。
一日も休まず、飽きずに。
最近は多忙さに眩んで、自分の生活が出来てない。
いわゆるサボりだとも思う。
仕事ってさ、何の為なんだろうね?
果てしない社会貢献の末に、オレ達が手にする僅かな収入。
会社のために自分が存在するのか、自分のために会社に寄生してるのか?
ここから見える隙間には、およそ入らないであろう多大な容量があり、
それは一つのことから始まり、埋もれてきている。
あぁ、ただ一つ始まることのない所から終わり、夢の中で見る終わりから始まって行く。
確かめ合うためには肌を擦り合い、息を吹きかけることでしか認め合えないのですか?
すぐに切れてしまうゲームボーイの中の100円均一の単三電池の気分。
やっぱり諦めてしまうことを諦めているんだよ。
飛べない鳥は、空の下。
宇宙、地球、日本、一般人。
そういう枠組みが翼を重くする。
それはもう勝てない重力で、憧れる空の更に上。
たぶん、きっと、それは、もう、どんなに、どこまで。
やっと分け与えるものが見つかったのに。
心の中の感情は強く、とても儚く、脆く、弱い。
たった一人でここまで来て、たった一人で家に帰る。
本当の事はまだ言わない。
だってそれがルールだからね。
その答えは3分間の。
オレは新しい扉をそっと開き、丁寧に締める。
オレの世界が流れ込まないように。