『「原発がどんなものか知ってほしい」の嘘』の嘘

 原発がどんなものか知ってほしいは有名なページですが,驚いたことにわたしが勤める会社では,このページが見られないように細工してありました。
 で,「原発がどんなものか知ってほしい」で検索してヒットしたページがごまんとあるので,見てみると,「原発がどんなものか知ってほしい」を誹謗・中傷するページな訳で,こういうページは自由に見られるようになっているわけですわ,うちのクソ会社では(笑)
 で,彼らの主張が正しいか検証してみました。一つだけ。専門用語がいっぱいあってメンドクサイ,メンドクサイ。だから,ひとつだけ。役人はこうやって庶民を煙に巻くわけですね。

「原発がどんなものか知ってほしい」の嘘のページが主張するところ

★「科技庁の役人が原発に関与」は嘘。
★「運転管理専門官は運転開始許可」は嘘。

私が調べてわかったこと
☆「運転管理専門官」(運専官)は,科技庁と通産省(いずれも当時)のどちらにもいた。科技庁の運転管理専門官は,実験炉などの研究分野の原子力施設を,通産省の運転管理専門官は,普通の東電とかの営業用の原発を担当していた。
「原子力施設等に対する安全規制の実施状況」の写真「図2−10 実用発電用原子炉施設の運転管理専門官」がある(笑)
引用


また,同じページで「通商産業省運転管理の監督体制の強化のため、実用発電用原子炉施設に運転管理専門官を派遣している。」とはっきり書いてある。

 「原発がどんなものか知ってほしい」の嘘のページでは,
科技庁の役人=運転管理専門官=運転(開始)許可を出す権限がない人
という嘘のロジックを立て,その上で,「原発がどんなものか知ってほしい」は嘘をついている主張しているわけです。自分の論拠が嘘なのですから,正しいことを言っている人のことまで嘘を言っているように感じるわけですね。
 性根が捻じ曲がっているとはこういう人のことを言うのでしょう。
 実態は,下を読んでもらえればわかりますが,先にまとめると,
 (科技庁の)運転管理専門官が,平井憲夫さんの講演で(科技庁と通産省の)運転管理専門官のデタラメぶりを告発した。その中で,「運転許可」を出したと言っているのです。「運転開始許可」とは言ってませんね(笑)

該当する原発がどんなものか知ってほしいの記述。注意してほしいのは,性根捻じ曲がり氏の批判の論拠として前後の話も「運転管理専門官」が関係している話のように誘導していることです。

 検査官が溶接なら溶接を、「そうではない。よく見ていなさい。このようにするんだ」と自分でやって見せる技量がないと本当の検査にはなりません。そういう技量の無い検査官にまともな検査が出来るわけがないのです。メーカーや施主の説明を聞き、書類さえ整っていれば合格とする、これが今の官庁検査の実態です。

 原発の事故があまりにもひんぱんに起き出したころに、運転管理専門官を各原発に置くことが閣議で決まりました。原発の新設や定検(定期検査)のあとの運転の許可を出す役人です。私もその役人が素人だとは知っていましたが、ここまでひどいとは知らなかったです。

 というのは、水戸で講演をしていた時、会場から「実は恥ずかしいんですが、まるっきり素人です」と、科技庁(科学技術庁)の者だとはっきり名乗って発言した人がいました。その人は「自分たちの職場の職員は、被曝するから絶対に現場に出さなかった。折から行政改革農水省の役人が余っているというので、昨日まで養蚕の指導をしていた人やハマチ養殖の指導をしていた人を、次の日には専門検査官として赴任させた。そういう何にも知らない人が原発の専門検査官として運転許可を出した。美浜原発にいた専門官は三か月前までは、お米の検査をしていた人だった」と、その人たちの実名を挙げて話してくれました。このようにまったくの素人が出す原発の運転許可を信用できますか。

 東京電力福島原発で、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した大事故が起きたとき、読売新聞が「現地専門官カヤの外」と報道していましたが、その人は、自分の担当している原発で大事故が起きたことを、次の日の新聞で知ったのです。なぜ、専門官が何も知らなかったのか。それは、電力会社の人は専門官がまったくの素人であることを知っていますから、火事場のような騒ぎの中で、子どもに教えるように、いちいち説明する時間がなかったので、その人を現場にも入れないで放って置いたのです。だから何も知らなかったのです。

 そんないい加減な人の下に原子力検査協会の人がいます。この人がどんな人かというと、この協会は通産省を定年退職した人の天下り先ですから、全然畑違いの人です。この人が原発の工事のあらゆる検査の権限を持っていて、この人の0Kが出ないと仕事が進まないのですが、検査のことはなにも知りません。ですから、検査と言ってもただ見に行くだけです。けれども大変な権限を持っています。この協会の下に電力会社があり、その下に原子炉メーカーの日立・東芝・三菱の三社があります。私は日立にいましたが、このメーカーの下に工事会社があるんです。つまり、メーカーから上も素人、その下の工事会社もほとんど素人ということになります。だから、原発の事故のことも電力会社ではなく、メー力−でないと、詳しいことは分からないのです。

結論
★『「科技庁の役人が原発に関与」は嘘。』は嘘。科技庁の役人が原発に関与したとは,原発がどんなものか知ってほしいには一言も書いてない。
★『「運転管理専門官は運転開始許可」は嘘。』は嘘。原発がどんなものか知ってほしいには,開始という言葉はどこにもない。「運転許可」を出すのは,運転管理専門官の仕事として当然。

うちの会社も腐っているが,インターネット上にも腐った人間がごまんと徘徊しているようで,みなさん嘘にだまされないよう気をつけましょう。

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