征服娘。

大正野球娘。も未読でしたし、タイトルと表紙を見て正直微妙だなと思いつつ、帯の宣伝文句を信じて購入したら大当たり。
十人委員会に連なる名家の13才のお嬢様が国家掌握を目指すストーリー。いや、初っ端から支配には暴力こそが必要と、真っ先に警察長官を引き込もうとする辺り、素晴らしい才女っぷり。どこぞのかわいいだけがウリの姫様よりこちらの方が遥かに魅力的。親兄妹間でも暗殺者を送り込んだり、安易な弱者救済に転ばなかったりとなかなかハードな展開。それでいて修道院生活で百合要素もおさえてあったりと、いろいろ盛り沢山。計画は穴だらけな気がしますが、世間知らずの小娘が立てたものと思えば、気にもならないし。
次はサイプロス島への使者で、軍部を掌握しようとするんでしょうか。
結婚まで2年という期間で全てを成し遂げるのか、これからの展開が楽しみです。

でも正直イラストはもうちょっとレベルアップしてほしいところ。P123とかは全然良いんですが、P105はちょっと…。

一応架空世界なんで地理が現実世界と同じとは限らないんですが、ヴェネチアとマルセイユが組んでキプロスでカッファと戦うのか。そんなシチュエーションあったかな。対ジェノバならありそうなんですが。

それにしても鉄球姫エミリーに続いて、コレですか。SD文庫も存外懐が深いなぁ。

征服娘。 (集英社スーパーダッシュ文庫)

征服娘。 (集英社スーパーダッシュ文庫)