カンファレンスとボウルゲームについて
いよいよNFLもシーズン終盤になってきたので、
関連ニュースも、いろいろなサイトで見られるようになってきました。
そうなってくると、「天邪鬼」な僕としては、
「まあ、じゃあ、僕は書かなくてもいいかな」とかいう変な思いが起こってきたり。
(細かい「面白い話」も少なくなってきたし)
というわけで(?)、今日はカレッジフットボールの話題を。
いよいよ、ボウルゲームの開幕まで1週間を切りました。
カレッジフットボールの今年のボウルゲームは、
12月20日の「ニューオリンズボウル」を皮切りに、年内20試合、
年明けに8試合の、合計28試合が行われます。
とりあえず、一番の注目は、先日から書いていますように、
今年の「BCS全米選手権」である1月4日の「ローズボウル」、
USC対テキサス大の試合ですが、その話をする前に、
そもそも、馴染みの薄いカレッジフットボールの仕組みについて。
まず、そこを知らないことには、
話題も何もあったもんじゃないですからね。
最近調べたことや、以前から軽く追っていたニュースを思い出しながら、
歴史的なことはともかく、「今の仕組み」を中心に、
簡単にまとめてみたいと思います。(僕の「復習」の意味も込めて)
「NFLをより楽しむため」に、皆さんにも参考にしていただければ幸いです。
まず、アメリカの大学スポーツには、
NCAA(全米大学体育協会)という組織があり、
アメフトのみならず、多くのスポーツの取りまとめをしています。
そのNCAAには、大学の規模や生徒数、スポーツのレベルに応じて、
「NCAA 1-A」「NCAA 1-AA」「NCAA 2」「NCAA 3」と、
4段階のディビジョンが存在し、所属する大学はそのいずれかに振り分けられます。
「1部ディビジョン」が2つあるので、僕も昔は「?」と思っていたところですが、
まあ、単純に、「NCAA 1-A」がトップレベルで、
それに次ぐのが「NCAA 1-AA」と考えればよいでしょう。
たまに入れ替わりがあるようなので、多少正確ではないかもしれませんが、
所属校数は、「NCAA 1-A」が117校、「NCAA 1-AA」が123校、
「NCAA 2」が146校、「NCAA 3」が222校、となっているようです。
で、この「レベル」というのは、スポーツ全般についてのものなのですが、
アメリカの大学スポーツで一番盛んなのはアメフトですから、
ほぼ、アメフトのレベルと比例しているものと考えて良いはずです。
NFLのドラフトで指名される選手も、ほとんどが「NCAA 1-A」所属大学出身で、
次いで「NCAA 1-AA」所属大学出身、というようになっていますしね。
カレッジフットボールも、それぞれのレベルで行われていますが、
もちろん最も盛んなのが「NCAA 1-A」のカレッジフットボール。
ですので、通常、「カレッジフットボールの話題」といえば、
「NCAA 1-A」のものと考えて、ほぼ間違いないと思います。
(もちろん、「NCAA 1-AA」にも伝統校はありますので、皆無ではありませんが)
で、その「NCAA 1-A」には、11の「カンファレンス」が存在します。
NFLでいう「カンファレンス」(AFCとNFC)と、ほぼ同じ意味と考えてよいかと。
ただし、それぞれが独自に運営されていますので、
運営方法などで、カンファレンスごとに多少の違いがあったりはします。
また、どのカンファレンスにも所属していない大学も存在し、
それらの大学は「独立校」と呼ばれています。
現在、「NCAA 1-A」では4校が独立校で、そのうち1校がノートルダム大です。
さて、各カンファレンスには、現在、8校〜12校が所属しており、
(所属カンファレンスが変更することも、ままあります)
レギュラーシーズンの対戦は、カンファレンス内の対戦が中心ですが、
他のカンファレンス所属チームとの対戦もあります。
(このあたりも、NFLと似ていますね)
大体、1レギュラーシーズンに11試合か12試合をすることになるのですが、
そのうち7・8試合がカンファレンス内の対戦で、
残りが他のカンファレンスのチームとの対戦になっています。
で、とりあえずは、その所属カンファレンス内で優勝を目指すのが、
レギュラーシーズンの目的となります。
(カンファレンスによっては、「優勝決定戦」もあったりします)
なお、じゃあ「独立校」はどうするかというと、
シーズン中、いろいろなカンファレンスの所属校(または他の独立校)と、
対戦していくことになります。
特にノートルダム大などは、その伝統と実績から、
対戦カードを組まれること自体が名誉なこと、と思われているようですね。
「カンファレンス」という小さな枠組みに入る必要などない大学、
それが、「独立校」ということになるのでしょう。
さて、では、ようやく「ボウルゲーム」について。
これは、ポストシーズンに行われる、という意味においては「プレーオフ」ですが、
必ずしも、1位から56位(28試合なので)までを決める試合、
というわけではありません。
そもそもは、ボウルゲームは、強いチームを招待して行われる、
レギュラーシーズン後の「お祭り」的な要素の強い試合で、
後に、有力カンファレンスの優勝校同士の対戦が組まれる、
というような形になってきました。
その後、各地域で強豪チームが誕生するに連れ、ボウルゲームの数も増え、
ある地域の強いチームが、他の地域のチームを招待して行われる試合、
というようになっていきます。
ここでいう、「地域」というのは、「カンファレンス」と同等の意味です。
カンファレンスは、大体地域ごとに分かれているものですので。
(現在は、必ずしもその限りではなくなってきていますが)
ですので、多くのボウルゲームでは、
「何々カンファレンスの優勝校と何々カンファレンスの上位校」というように、
大体、対戦カードの大枠が決まっています。
ただし、あくまで「お祭り」的な「招待」試合ということに変わりはないので、
正式には、各ボウル委員会が招待をして、受諾したチーム同士が対戦する、
ということになります。
(ですので、対戦カードはレギュラーシーズンが終わっただけでは確定しません)
もちろん、ボウルゲームにも、歴史と伝統で「ランク」がありますので、
より高いレベルのボウルゲームに招待され、
そこで勝利することが、大学チームにとっても名誉なことになります。
その最高峰に位置づけられるのが、「4大ボウル」です。
4大ボウルは、「ローズボウル」「オレンジボウル」「シュガーボウル」と、
「フィエスタボウル」のことを指しますが、
歴史的には、フィエスタボウルではなく「コットンボウル」を入れることもあります。
・・・と、ちょっと長くなってきましたので、
また明日か明後日あたりに続きを。
次回は、「BCSランキング」と「BCS全米選手権」について。
そこまでいけば、ようやく「ローズボウル」の話題に入れるかな、と思ってます。
キッカーランキング(第14週時点)
で、まあ、その直後にNFLのキッカーの話題というのも、ちょっと違和感がありますが、
現在の「キッカーレーティング」によるランキングを。
1位(→) 45.8 ニール・ラッカーズ(カーディナルズ)
2位(→) 40.6 ジェフ・ウィルキンズ(ラムズ)
3位(→) 38.2 ジョー・ネドニー(49ers)
4位(→) 33.8 マット・ブライアント(バッカニアーズ)
5位(↑) 31.3 ジョシュ・ブラウン(シーホークス)
6位(↓) 30.4 マット・ストーヴァー(レイヴンズ)
7位(↑) 30.2 マイク・ヴァンダージャット(コルツ)
8位(↑) 30.0 ジョン・ホール(レッドスキンズ)
9位(↑) 28.7 トッド・ピーターソン(ファルコンズ)
10位(↑) 28.0 ネイト・キーディング(チャージャーズ)
先週、「全体的に値が下がってきている」と書きましたが、
今シーズン前半、ずっと調子が良かったのは若手キッカー陣。
そうした若手陣に喝を入れるかのように、ベテラン陣が大挙してベスト10入り。
シーズン序盤に、「今年はベテランキッカー受難の年か」なんて書きましたが、
ボルチモア・レイヴンズのKマット・ストーヴァーを筆頭に、
シーズンが深まるにつれ、「復活」してきているのは、さすがですね。
インディアナポリス・コルツのKマイク・ヴァンダージャットも、
今年は低調なまま終わるかと思っていたのですが、辻褄を合わせてきました。
基本的に「決定力がある」チームで、キッカーも好調というのは、
鬼に金棒というか、もう、怖いもの無しのオフェンスですねぇ。
なお、今週、ベスト10から落ちたのは、
グリーンベイ・パッカーズのKライアン・ロングウェル、
テネシー・タイタンズのKロブ・ビロナス、
バッファロー・ビルズのKライアン・リンデル、
ヒューストン・テキサンズのKクリス・ブラウンの4人ですが、
特にブラウンは、先日も書きましたように散々な出来で、
一気に21位にまで落ちてしまっています。
そういえば、ブラウンの「選手紹介」をしたときのタイトルが、
「求む、安定性」でした。
・・・今シーズンも、「安定性」は得られなかったようです。