まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

機巧少女は傷つかない8 Facing "Lady Justice"

ストーリー
<迷宮の>魔王グリゼルダの元で、毎日のように魔術の修行を積む雷真。
そんな雷真の前に現れたのは、<十三人>のひとりにして雷真の許嫁の少女・日輪だった。
婚約者として熱烈なアプローチをかける日輪に、嫉妬と対抗心を燃え上がらせる夜々だが……。



うおおおお、面白かった! ラブコメもバトルも絶賛増量中で大満足でした。
毎巻のように新しいヒロインを出しておきながらそれでもまだ飽きたらず、こんなに魅力的な女の子を登場させて、しかも恋の鞘当てを楽しく描けているのは素直に凄い。
普通ならヒロイン過多で潰れてしまいそうなところですが、ヒロインの中でも、本格的にバトルに参戦してくる娘と、あくまでサブキャラに徹する娘という風に、いつの間にか住み分けができているんですね。
だから今回も、夜々と日輪、そしてシャルの三つ巴の戦いに、きちんとスポットが当てられたわけです。え、フレイですか? うん、サブヒロインの中では最高位にいると思いますけど、やっぱりメインヒロインという感じじゃないよなあ。可愛いけれどね。
それにしても、もう8巻なんですよ。これだけ遅れて登場してきておきながら、夜々&シャルの間をすり抜けて雷真に最接近できる日輪さん……そのポテンシャルに拍手。婚約者というのはいい立場だなあ。
雷真がずっと夜々の求愛を拒み続けた理由もようやく分かりましたね。存外に一途というか、義理堅いというか。雷真らしいっちゃらしいですけど。
しかし事実、日輪さんは可愛いですね。気弱そうなのに恋に関してはまっしぐらで、見ていて気持ちがいい。行動原理が夜々に酷似していることもあって、このふたりはいいライバル関係を作れそうな予感がします。
もちろん、最終的には夜々に勝って欲しいんですけどね! 夜々かわいいよ夜々!(合言葉)


ドタバタラブコメの前半からは一転して、後半は待ちに待った夜会のターン。
雷真たちを狙って自主降格してきた<十三人>たちとの丁々発止のバトルが描かれました。
<十三人>といえば紛れもなく学院のトップであるわけで、そんな凄腕たちを前に、雷真やロキ、そしてフレイ(!)たちが互角の戦いを繰り広げているのを見て、知らず胸が熱くなりました。いやはや、強くなったのは知っていましたけど、ここまで戦えるとは。
しかしそんな彼らでも、マグナスの前ではまだ子どものようなものなのでしょうね……。改めてあのラスボス、ちょっと強すぎやしませんか。
日輪とその従者、昴・六連も格好良かったです。圧倒的な力を見せる日輪はもとより、愛する主のために全てを賭けて戦う従者ふたりの姿が素晴らしかったですね。
いつも丁寧な日輪も、昴たちの前ではSっ気など垣間見せていて、長年連れ添った仲間の信頼が感じられました。雷真と夜々のコンビにも負けないくらい、素敵なトリオだと思います。


エドマンドさんはずいぶんと楽しそうに雷真と戦いますね。まさかの正妻候補ですか? ロキさんの立場が危うい!
思いっきり悪役ではあるのですが、どうも憎めないから困ります。今の雷真と夜々なら負ける気はしないけれど、かといって勝てる気もしない。マグナスとは違う意味で、これからさらに強敵になっていきそうです。
さて、遂にシャルが本気を見せるときがやってきました。今までは雷真たちの方が大きく水を開けられていたこともあって、あまり戦闘には関わってこなかったのだと思うのですが、もうここまできたら遠慮はいりません。
もうチョロい女なんていう称号は不要なのです! 最強の<暴竜>の力を存分に発揮して、改めて周囲にその凄さを示してもらいたいですね。
もちろん、夜々と日輪が切磋琢磨する恋愛バトルにも、どんどん食い込んできてくれることを期待しています。楽しみ。


いろりと小紫までは想定の範囲内ですと。これはそっちのエンドもアリだな……!