まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

瑠璃色にボケた日常2

瑠璃色にボケた日常 2 (MF文庫J)

瑠璃色にボケた日常 2 (MF文庫J)

ストーリー
ある日孝巳の前に、関西から来たという霊導師の少女・三塚柘榴が現れる。
彼女にいざなわれるまま、「頭取さん」という怪人が出るらしい廃銀行へと向かう孝巳。
しかし偶然銀行の中にいたチンピラに絡まれてしまい……。



柘榴様! 柘榴様!
3人目のボケにして3人目の美少女霊導師、柘榴様が登場されました。丁寧語キャラ最高! エロネタに躊躇のない丁寧語キャラ最高!
別に翠みたいなお嬢様ではないし、むしろ翠や瑠璃に対しては平伏する側の立ち位置なのですが、なぜか様付けで呼びたくなってしまうこの底知れぬオーラ。あっという間に一押しヒロインになってしまいました。ううむ。


しかしこの抜群の安定感ですよ。本当に新人かと疑いたくなってしまいますね。
漫才シーンを初めとしたギャグパートではとことんテンポよく笑いを提供してくれるし、一方でシリアスパートでは生者と幽霊の悲しい物語をしっかり描いてくれます。
バトルシーンではアクションもきっちりと。どこを読んでも確実に楽しめる、文句なしの良作だと思います。
今回は生霊がテーマになっていましたが、ストーリーの重さでは死者を扱うのとそれほど変わらなかったような気も。はっきりとした悪役の存在も大きかったですね。


瑠璃と翠以外の霊導師が出てきたことや、孝巳が少し特訓などしたこともあって、改めて瑠璃と翠の凄さが分かってきました。やっぱり比較対象がいないとなかなかピンと来ないものです。もっとも、柘榴だってかなりの腕の持ち主なんでしょうが……。
そして瑠璃たちの凄さが分かるということは、彼女たちを驚かせる孝巳の評価も自然と上がってくるということです。というか《喝破》の使い勝手が良すぎて困る。とりあえずツッコんでおけば負けはないんじゃないかなとさえ思えてくる。
瑠璃と翠と柘榴、同じ霊導師であってもそれぞれ戦い方が違っていて、それぞれの格好良さがあります。特に柘榴様の『首斬小町』ぶり、たまりませんでした。イラストの柘榴様の目つき、背すじがゾクゾクしてきます!


瑠璃は相変わらず、何を考えているんだかよく分からないヒロインでした。メインヒロインなのに、一番分からない。
あまりに飄々としているというか、孝巳とは価値観がズレ過ぎていて、なかなか理解し合えない部分がありますよね。
ただ、瑠璃と孝巳が唯一無二の相方であり、お互いを大切に思っているということは、今回描かれていた通りです。何の理屈もなく信じられる相手がいるっていうのは、素敵なことですね。信じていれば、いつか通じ合えるときが来るのかもしれません。
翠や柘榴も加わり、瑠璃の周りもだんだんと賑やかになってきました。孝巳とだけでなく、翠や柘榴との関係も、これからどんな風に変わっていくのか見ものですね。


翠とカラオケに行きたい。