まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国Ⅲ

落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国III (MF文庫J)

落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国III (MF文庫J)

ストーリー
カサンドラ王国軍二千を降し、勢いに乗ってエインの砦攻略戦に乗り出すナーガたち。
ヴィータらスレイマーヤ一族の協力も取り付け、計画は着々と進行していく。
そんな中、シュバイツ川の警戒にあたっていたノノエルが、ひょんなことから敵の部隊長を生け捕りにしてきて……。



今個人的に一押しのファンタジー戦記シリーズ第3弾。
いやあ今回は凄いですよ。何がってカラー口絵が凄い。まあ1-2枚目も凄いんだけど、3枚目が凄い。この肌色は過去最高かもしれない。凄い。何より凄いのは、こんな口絵なのに本編はガチで魔法×戦記ものをやっているっていうこと。凄い。
もちろん口絵だけじゃなくて、モノクロイラストの方もいつも通りの裸祭りなんですけどね! 相変わらず電車では読めませんね! いや、読みましたけどね!


二度の軍の侵攻を追い返し、遂に「守り」から「攻め」に打って出た魔女たち。
今回の作戦の上で要となったのは、ハリガンと犬猿の仲のヴィータ率いる魔女の一族でした。
新キャラがまたどっと増えてきて多少混乱したけれど、それだけ魔法もバラエティ豊かになったのが嬉しい。魔女ひとりにひとつの魔法という制限がある以上、やっぱりある程度人数が集まってくれてこそ面白くなるというものですよね。
もちろん、魔法と魔法の組み合わせということ以外にも、キャラ同士の新しいやりとりという面でも楽しさがぐっと増したように思います。
特に一族の長ヴィータとその娘エリュシオーネはハリガン一族とよく絡んでくれました。エリュシオーネさん不憫可愛い。
ナーガの実力を知らないヴィータ一族が比較対象となったことで、ハリガン一族の魔女たちがかなりナーガを信頼し始めてきていると、改めて知ることができたのも良かったですね。
ライバッハを捕らえたときはあの剣幕だったユウキでさえ、いざというときのナーガの指示には意外なほど素直に従っていて、思わずニヤニヤしてしまいました。
ケイやノノエルに至っては無防備すぎてもはや危ういくらい。乙女たちを守るため、ハリガンさんにはしっかり目を光らせておいていただきたいものです。はい。


「大きな戦利品」を手に入れて、いよいよ勢いにのるナーガたちですが、まだまだ彼らの覇道は始まったばかり。
巻頭の地図も縮尺が小さくなって、お話のスケールが大きくなってきたのを感じます。
そろそろ魔女だけでは苦しくなってくる頃ですし、人間の軍勢が味方に欲しいところですが……。ナーガは次にどんな手を打ってくるのでしょうか。
謎の強敵も姿を見せてきましたし、先の読めない展開にわくわくが止まりません。次巻も楽しみです。


羽が邪魔をすることで余計にエロくなっている感、あります。