マクロスF(フロンティア) 25話

最終回に恥じぬ最高の盛り上げをみせた回であった。あっという間にフェードアウトしたレオンなど、若干駆け足気味な部分も無いでもなかったけど。
マクロスプラスのゴーストがギャラクシーで制式採用されたのかXの字が取れて登場したり、同じくマクロスプラスのイサムよろしくアルトが掌を飛行機に見立てたり、ルカが自分の無人機のリミッターを解除したり、マクロスゼロの鳥の人とヴァジュラの関連性を匂わせたり、オズマが例の如くマクロス7のナンバーを作戦コードにしてたり、初代の私の彼はパイロットなどの曲を持ち出してきたりと言った、過去作のオマージュ的な要素も交えつつ、その上で歌姫が二人いるからこそ異種族間交流の可能性が開けたという、このマクロスフロンティアならではの要素をかぶせてくる構成は25周年記念作の名に恥じぬ見事さと言うほか無い。
歌の方もメドレーにすることにより、片方が歌いつつ片方が会話したりといった形を自然に演出でき上手かった。
アルト、シェリル、ランカ、それぞれの心の問題も決着こそ着かなかったものの、理屈を抜きにして思いのままぶつけるという方向性を定めたという意味で結論として形になっていたのも良かった。結局アルトは両方を自分の嫁宣言してるんじゃね?という感じでは有ったがそこは愛嬌と言うべきか。
ミシェルとクランにとってはちょっと残念な展開ではあったけど、二人の示した命がけで思いをぶつけるということがアルトの中でしっかり活かされたわけだし、止む無しというところか。登場時から知り合いで、戦闘によって離別し、最終決戦で巨人からマイクローン化して出撃という、劇場版愛おぼのマックス&ミリアと徹底的に対極的な二人であった。
アクション面も最高の一言に尽きる。バトルギャラクシーに対してケーニッヒで頭を潰してクォーターのマクロスアタックで主砲撃破、最後にバトルフロンティアのパンチでトドメのシーンもさることながら、歌姫が二人というマクロスフロンティアならではの要素に対応するが如く、アルトとブレラという二人のエースによる突撃は、前回の対決が嘘のような息の合いっぷりでそこからお約束的にアルトがアーマーパージしてミシェルの形見のライフルでトドメの一撃を放つまで息を付くことさえ忘れさせる勢いだった。
SNSオーナーが求めていたのはリンミンメイとの邂逅だったようだけど、それに対して愛おぼえていますかがプロトカルチャーにとって普通のラブソングだったように、アイモがヴァジュラ達にとってラブソングだったという形でのある種の原点回帰で一つの回答になっていたのも趣深かった。
原点回帰と言えば、歌はお腹で歌うという歌自体の原点とも言える要素を絡めてきたのも面白かったな。お腹が光る描写に対し受胎など生殖的なイメージばかり思い浮かべていただけに、良い形で印象を覆された感じ。シェリルの脳を侵していたと思しきV型ウィルスがランカの発するフォールド波で腹に移動して無害になったぽいのも、その辺の絡みか。
とにも角にも、最高の盛り上げを見せつつ今後の展開の膨らみを期待させる最高の最終回でした。
劇場版マクロスFの告知も来たけど、劇場版は愛おぼにならってパラレル的になるんだろうか。