GR事始:GRレンズの描写

イカM3を手放した翌日、GR1vを買った。
スナップをやりにくくなってきた昨今、一眼レフほどではないにせよ、往年のプロ仕様のライカもやはり、現代のスナップ用カメラとは言いがたくなっているような気がしていた。
折りしも巷はリコーGRデジタルIIの発売を間近に控え、キャンペーンの真っ最中。
そうか・・・ GRか・・・
田中長徳氏が世間に広め、森山大道氏が愛用していることで有名な銀塩GRシリーズに、最近は、キャンディット写真家の横木安良夫氏が宣伝しているGRデジタル&GX100のデジタルGRシリーズも加わり、スナップと言えばGRという風が吹きつつある。ライカ使いの高梨豊氏によれば、GRレンズは仕事カメラに加えたい描写の28mmレンズとのこと。
GRを買うと決まれば、銀塩か、デジタルかの迷いはなかった。中古価格的には、銀塩の方が、GRデジタルの初期モデルよりも圧倒的に高かったが、銀塩以外の選択肢は考えもしなかった。
むしろ迷ったのは銀塩の中のどれにするかということ。最高峰のGR21から初期モデルGR1まで、価格にして10倍の開きがあるからだ。しかし、レンズに関しては焦点距離以外に違いはないはず。決め手は、マニュアルフォーカス(目測フォーカス)の有無とやり易さだった。中古価格13万円というGR21は論外として(それだけ出すなら、ライカを買い換えたほうがまし)、28mmレンズのシリーズの中ではGR1vが最も使いやすそうだった。それでも、中古価格で6万円は下らない。下取りサービスにポイントを付けて、実質45000円になるから買う気になったようなもの。
手にしてみると、予想以上にちっちゃくて、軽い。ライカM3にズミクロン50mmを付けたものが約800gだから、1/4以下の重さ。ポケットに入れておいて、撮るときにサッと出して、また、ポケットにしまう。そういう撮り方が可能なカメラだ。
さっそく森山大道氏よろしく夜の街で試し撮り。とは言え、オートフォーカスのノーファインダーで撮る気はさらさらない。目測フォーカスして、ちゃんとファインダーで見て、高梨豊氏になったつもりで撮ってみた。
現像が上がった日、予想以上の写りに、ちょっと感動。評判に違わない、使えるカメラだと確信した。
この瞬間、すっかりGRの虜になっていた。




恵比寿 2007/11/7
GR1v (GR 28mm/F2.8)
Fuji SuperPRESTO1600@1600

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