マジックミラーの見分け方

LM-72007-09-18


産経新聞が報じたところによれば、サッカー女子W杯中国大会で、ホテル内の一室で行われたデンマークのミーティングを、マジックミラー越しの隣室の男性が盗撮していたことが判明したという。ビジターのホスト国への信頼を裏切る行為で決して許されないことだ。来年に迫る中国五輪への懸念材料がまた一つ増えてしまった。

都市伝説の可能性も高いが、ある種のラブホテルはマジックミラーに仕切られた部屋に客を案内するサービスがあるという。また、総会屋対策としてその手の人々と面談するときには、外部から確認できるよう隠しカメラやマイク、マジックミラーなどの設備を整えている会社もあるだろう。他人に知られたくない行為に及ぶときには、部屋に設置してある鏡がマジックミラーではないか確認する必要があるかもしれない。

wikiHowに"How to Tell if a Mirror Is Two Way or Not"という、マジックミラー(magic mirrorは和製英語。英語ではtwo-way mirror等と呼ぶ)の見分け方を説明したエントリがあるのでここで紹介しよう。

Steps

  1. まず鏡がどのように設置されているか確認する。通常の鏡は壁に掛けてあるが、マジックミラーは壁の中に埋め込まれている。もし鏡の後ろに壁があるのならば、その鏡はおそらく通常の鏡だ。
  2. 明かりを消して懐中電灯やキーライトの光を鏡に近づける。もしそれがマジックミラーならば、反対側の部屋が照らされるだろう。
  3. 目を鏡に近づけ、手を双眼鏡のようにして目の周りを覆い、光を遮る暗いトンネルを作る。こうすることで、反対側の部屋はあなたの部屋よりも明るくなり、鏡の向こう側にあるものを見ることができる。
  4. 鏡の表面をノックしてみる。通常の鏡は壁の前に設置されているため、鈍い音を立てる。一方マジックミラーは、反対側にオープンスペースが存在するため、開放感のある、空洞のような残響音がする。

Tips

マジックミラーの見分け方として最もよく知られている方法にfingernailテストがある。fingernailテストは鏡とマジックミラーを見分ける方法等に紹介されているように、爪などを鏡に押しつけて調べる方法であり、もし爪とその反射像の間に隙間が無ければマジックミラーだとされるが、この結論は確実ではない。fingernailテストにおいてたとえ隙間が無くてもマジックミラーとは限らない。

fingernailテストで分かることは、隙間がない場合、その鏡はガラスの手前に反射膜をもつ表面鏡(first surface mirror)だということだけだ。すべてのマジックミラーは表面鏡だが、すべての表面鏡がマジックミラーというわけではない。表面鏡は高価なため通常の環境では利用されないので、表面鏡ならばマジックミラーである可能性が高いとは言える。しかし、マジックミラーでない可能性も少なからず残っているので、早合点は禁物である。くれぐれも、単なる表面鏡をマジックミラーだと勘違いして、大騒ぎを起こさないように。

Warnings

マジックミラーを見分けることは誰にでもできることではない。壁に小さい穴を開けて鏡の裏側に魚眼レンズ付きの隠しカメラを設置するだけで、反対側の部屋の明かりも残響音もなくなり、あなたがいくら目をこらしても何も見えなくなる。また、仮に鏡が通常のものであったとしても、そういった盗撮機器を隠す場所はいくらでもある。もっとも、たいていの人はのぞき見を見るリスクやトラブルを避け、のぞき見をしようとは思わないだろう。例外は小売店のオーナーで、万引きや従業員による窃盗を監視するためにしばしばマジックミラーが設置される(訳注:米国の場合)。