Less Than JOURNAL

女には向かない職業

限りなく青に近いブルー。

BBG界には「インク沼」という言葉があるそうだ。

しかし、私はその言葉を知る前に沼から帰還した。世界の銘酒ならぬ世界のインクボトルが机上にみっちり並ぶさまは「インク沼」というより「スナック・インク」みたいな感じだった。客の来ないスナック。ひゅるるー。さびしい。

しかし、所有する万年筆という万年筆に色とりどりのインクを入れたり出したり洗ったり乾かしたり……という、むなしいインクバカ生活に終止符を打ったのは、モンブランの限定インクでブルーブラック系の“トワイライト・ブルー”が出た時のことだった。その時に、これからは同じインクで書く潔さを楽しもうと心を決めた。ただ、インク消しペンと相性のよいペリカンのロイヤル・ブルーはやめられないので、トワイライトブルーとロイヤルブルーの2つ使い。

それまで、ブルーとかブルーブラックとか、おしゃれなナントカ色とか名づけられたやつとか、青いインクは手あたり次第に試してきたけれど。トワイライト・ブルーの絶妙なブルーは、本当に、このインクのために自分は生まれてきたんじゃないかと思うくらい(ちょっと盛りました)理想的なあんばいの色だった。書いた時にはこっくりした青なんだけど、とにかく乾いた時の色が美しい。夜明け前の、暗闇がふっとゆるむ瞬間の青。眺めてるだけでキュンとするような。このインクにすごく近いと言われている国産インクがあるんだけど、やっぱり何か違う。

 

ちなみにトワイライト・ブルーは2015年の限定色。もう4年経つわけだ。ほどほど買いだめはしているので、まだしばらくは大丈夫そうだけど(消費期限のことは聞かないでー)。なんとなく、いつの日か在庫が底をついた時のことを考えてみる。さびしい。

それで最近、ちょっといろんな“いい感じの青”を試してみている。いつかトワイライト・ブルーが底をついた時のことを考えて……というか、いや、ひょっとしたら「3年目の浮気」みたいなスケベ心なのかもしれないです。

 

でもねー、もうインクを出したり入れたり洗ったりするの面倒くさいし、と思っていたら、ご同慶の至りが多いのか何なのか、最近は万年筆カートリッジが使えるペンも種類が増えてきたような。

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好きな万年筆のインクを入れて使えるフェルトペン。

フェルトペンとインクカートリッジとコンバーターの3点セット。

これがとっても便利でした。ペン(中国製)も使いやすいし、あと、コンバーター(ドイツ製)が欧米のフツーの無印コンバーターなんだけど、意外と日本で単品で売ってるのを見たことがないので(無印でないブランド品は買えるんですけど)なにげに嬉しかった。パッケージもかわいいし。ちなみにインクはスロベニア製、東欧雑貨好きにも嬉しい(かも)。

 

かなり好きな色だしインクとしても優しい良品だけど、なかなかメインの万年筆で使う機会がなくてもてあましていたウォーターマンのブルーブラックのカートリッジを入れてみた。しかも、ロングタイプのカートリッジが入りました。この青、やっぱり好きだ。Mysterious Blueという名前も好き。正直、ブルーブラック、という感じでは全然ないんだけど。そもそも、今、追い求めているのはブルーブラックのようでブルーブラックというわけではないし、ひょっとしたら体調によって緑?灰色?とも思えたりするくらいの絶妙ブルーなのでオッケー。

 

で、万年筆人気も衰えませんが、フェルトペンと筆ペンも流行ってるそうですな。

最近気に入っているフェルトペンの青は、セーラーの“四季織”インクをフェルトペンにした“四季織マーカー”シリーズの“夜長”。これと、青じゃなくてグレー系なんだけど“霜夜”がけっこう活躍中。

あと、海外のBullet Journal関係のインスタでもトンボのABTが大定番で、絵を描く人とは別に手帳好きの方々にも筆ペンが人気みたいで、気がついたらロフトやハンズも筆ペンコーナーが拡大しているし色もたくさん増えてるし。ぺんてるのアートブラッシュは、色数はABTほど多くないけどレフィルもあって便利そう。今日、ターコイズ買いました。いい色。あとスティール・ブルーも、メッセージカードとかに使いたい感じの青。グレイッシュブルーっつーんですかね、ナイス青。

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ぺんてるのフェルトペンは、1963年の誕生から去年で55周年だそう。そして、今日知ったのですが、ぺんてるが世界初の携帯用水性ペンだったんですね。ふだんそんなに頻繁に出番があるわけではないんだけど、常にペン立てには刺さってる。マッキーとぺんてるはないと困る。で、今日、筆ペンを買いに行ったら(また買ったのか)フェルトペンとアートブラッシュのお試し書きイベントをやっていた。

 

でも。他にお客さんがいなくて、ですね、

 

 

いつもの試し書きをする勇気がありませんでした。

 

ばかばか、自分の意気地なし。

 

購入したら、非売品のフェルトペンをいただいた。季語の名前がついたオリジナルインクの中から好きな色を選ぶと、その場でインクを入れたペンを作ってもらえる。すごーい。うれしーい。

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「蕎麦掻」と「草餅」。冬と春のインク。かわいい。

 

冒頭、インク沼から帰還したとかいばってみましたが。今度はフェルトペン&筆ペン樹海に迷い込みそうです。単価がお手頃なのが罠。たすけてー。