中国歌劇「木蘭詩篇」日本公演

ディズニー映画「ムーラン」の本家版のオペラ。
公式ではこんな説明がされている。

2010年に開催される上海万国博覧会に繋がる日中友好の企画の一環として、中国歌劇「木蘭詩篇」の日本公演が決定した。故郷を守るため、女性の花木蘭が男性に扮し、老齢で病に伏せる父の代わりに従軍するという中国に約1500年前から伝わる物語「木蘭辞」。これをモチーフにした本作には「平和と幸福な生活への祈り」、非戦への誓いという恒久平和のメッセージが込められている。
アメリカのリンカーン・センター、およびオーストリアウィーン国立歌劇場でも絶賛を博した一大詩篇をお楽しみに!

「平和と幸福な生活への祈り」、非戦への誓いという恒久平和のメッセージが込められている。』という説明には、ちょっと微妙な気がするけどなぁ。
普通に「国難にあたっては苦しくても立ち上がろう」とゆー話だと思うがなぁ。 昔の軍装というか鎧がかっこいい。


日本公園は既に終了

学習院創立百周年記念会館 11月11日(水)
東京文化会館大ホール 11月13日(金) *オペラ形式
札幌市教育文化会館大ホール 11月16日(月)
東京オペラシティ 11月19日(木)

学習院の講演の記事が有った。 写真がいっぱい。

日本で中国オペラ「木蘭詩篇」が公演(写真集)_China.org.cn

http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2009-11/12/content_18875454.htm
講演の最後で「四季の歌」を芹洋子さんと一緒に日本語で歌う彭麗媛さん 


彭麗媛さんは「木蘭詩篇」で最初に木蘭役を演じている。
2008年のウィーン国立歌劇場でも歌っているけれど、今回は「芸術総監督」という立場らしい。

彭麗媛、ウィーンで中国歌劇「木蘭詩篇」を熱唱_China.org.cn
http://japanese.china.org.cn/culture/2008-09/01/content_16369380.htm

彭麗媛(左、「花木蘭」役)と男性主役の戴玉強(「劉爽」役)


なんとyoutubeに全編あがってた。

大型歌剧 《木兰诗篇》 全剧 - 彭丽媛
http://www.youtube.com/view_play_list?p=8FD04CF6DCCCB3F4

テロップ見るとオーケストラ「Wiener Symphoniker」ってあるから、つまりはあの「ウィーン交響楽団」なのか?
合唱も「Wiener Imperialer Philharmonischer Chor」
かなり凄いぞ!


日本公演では伴奏をロイヤルチェンバーオーケストラが担当、堤俊作氏が指揮を務めていた。
合唱は中国人民解放軍合唱団。
東京公演はスカパー!で放映されたらしい。*1

花木蘭の出演者・雷佳(ライカ)(左2)、譚晶(タン・ジン)(右2)および劉爽の出演者・于爽(ウショウ)(左1)、孫学翔(ソンガクショウ)(右1)。


ダブルキャストだったのかな?
最近の講演では雷佳(ライカ)or(レイ・ジャー)さんがメインみたい。

雷佳(ライカ)さんの公式(?)HP
http://www.leijia.com.cn/index.php
http://www.leijia.com.cn/bbs/index.php


譚晶(タン・ジン)さんも北京オリンピック開会式で歌った実力派、とゆーか現在人気絶頂みたい。

2008年芸能界好感度調査歌手ランキング、譚晶氏が1位
http://jp.eastday.com/node2/home/xw/wy/userobject1ai41861.html

皇太子殿下も鑑賞。 
産経新聞とか週刊文春が「スクープ」している程度で、なぜか大手マスコミではスルーに近い扱い。
今回は芸術総監督に回った彭麗媛さんが、何かと話題な習近平国家副主席の夫人なので、変に政治的に勘ぐられるそうだから関係者が報道自粛を要請しているのじゃないか? という観測も有るみたい。


それはさておき
当然ながらディズニーアニメ「ムーラン」とは、かなり違う。
合唱の迫力を味わう歌劇というのが第一印象。
民間人は祖母・祖父の二人だけ。 主人公も半分は鎧をまとった軍人姿で歌ってるので、非常に軍人濃度が濃い。
やっぱり人民解放軍総政治部歌舞団公演という感じ。


古くからの題材だけど、ちゃんとそれなりに[オペラ」になってるところが凄いかも。

《木蘭從軍-1939》一幕

◇構成◇
・序曲
戦争と平和がテーマ、人間の戦争に対する憎悪、平和への渇望】

・第一楽章『父に代わり従軍する』(アダージョ叙事詩)
【安らかで平和な生活を戦争に踏みにじられ、木蘭は男装して、毅然として父の代わりに出征する】

・第二楽章『辺境の地の風雲』(アレグロと幻想曲)
【英雄は血みどろになって戦い、戦友との友情をかたく契り、人間性と正義の素晴らしさを説く】

・第三楽章『女性としての思い』(酒の歌と望郷曲)
【凱旋する英雄、木蘭は名利を追わず、故郷に帰ることを渇望する】

・第四楽章『平和の賛歌』(民謡、鎮魂歌とフィナーレ)
【戦争による狼煙と洗礼によって、正義と平和への渇望がいっそう響きわたる】

【追記】ロイヤルチェンバーオーケストラとは

「ロイヤルチェンバーオーケストラ」のロイヤル【royal】とは『王の、王室の、また高貴な』の意味。
オーケストラの成り立ちから見れば、皇太子殿下が出席するのは有る意味当然なんだが…
そもそもなぜこのオケがこの演目をやることになったのか、そっちの方が気になるなぁ。


公式サイトより

ロイヤルチェンバーオーケストラは1997年創立。
音楽監督、堤俊作の指揮者活動25周年を機に同年4月25日、東京芸術劇場でデビューしました。

母体の「ロイヤルチェンバーオーケストラ」は、87年皇太子殿下を楽団長として結成された「梓室内楽管弦楽団」のプロ演奏家、国内外の一流オーケストラ経験者、国内の若手演奏家達が皇太子殿下ご成婚を機に結成した「東京ロイヤル・アンサンブル」を前進として95年に結成されています。
http://www.r-c-o.jp/info/rco.html

*1:中国歌劇『木蘭詩篇』生中継! 11月13日(金)午後18:00〜21:00 Ch.200 無料放送