2006/11/13 OA RAW
at イリノイ州シカゴ
(余談)RAW放送700回記念 RAWの歴史を振り返る
RAWはこの回で放送700回を迎えました。
当初は"Monday Night RAW"でしたが、WCW "Monday Nitro"との視聴率競争で劣勢に立った時には"RAW IS WAR"、9.11の後には「戦争」の文字を自粛して"(WWE) RAW"と、タイトルが変更されています。
(現在放送されているUSAネットワークのサイトでは"Monday Night RAW"とアナウンスされています)
その為、放送開始から現在までを包括して表現する場合には、単に"RAW"と表現されることが多いように思われます。
放送局も USA Network→TNN(後にSpike TVと改称)→USA Network に変更されています。
放送時間は当初の1時間からNitroに対抗して2時間に延びました。
Nitroは1時間早く始まり、3時間になったり(さすがに飽きそう)、2時間で直後に再放送されていたらしいので、RAWの放送時間中はずっと裏で放送されていたようです。
その上、RAWが録画だった時にはNitroの放送中にRAWの結果をバラしてしまうというえげつない妨害まで行っていました。
(しかしマンカインド戴冠のネタばらしをした時には数十万人がRAWにチャンネルを替えてしまったそうですが)
WWEは、豊富な資金を自由に使えたWCWに主力選手の大半を奪われ、視聴率では83週負け続け、一時は倒産の危機に陥りました。
しかし、ストーンコールド・スティーブ・オースチンやザ・ロックが看板スターに成長し、またマクマホンファミリーが体を張って自ら汚れ役を引き受けて抗争を盛り上げた結果、RAWの視聴率はNitroを上回るようになりました。
逆にWCWは飽きられてNitroの視聴率は低迷し、肥大化した組織を維持できるだけの資金を得ることができなくなり、最後にはWWEに買収されて"Monday Night War"は終戦を迎えました。
Kフェド登場
「Kフェド」ことケビン・フェダーライン入場。
自称“ラッパー”らしいのですが、実際には“ブリトニー・スピアーズのヒモ”としか認識されていないようです。
ちなみに現地放送の3週間後にこんなニュースが流れました。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - B・スピアーズが離婚を申し立て
【ロサンゼルス7日】
米人気歌手のブリトニー・スピアーズさん(24=写真右)が6日に、夫でダンサーのケビン・フェダーラインさん(28=同左)との離婚の申し立てを、ロサンゼルスの裁判所に提出していたことが明らかになった。
7日明らかにされた裁判所の書類によると、ブリトニーさんは「妥協不可能な不一致」を離婚理由に挙げている。2人の間には、約2カ月前に第2子が誕生したばかりだった。ブリトニーさんは、2人の子供の親権を主張している。
芸能情報サイトのTMZ・ドット・コムは消息筋の話として、結婚前の両者の合意によって、資産が1億2000万ドル(約141億円)ともいわれるブリトニーさんは、離婚に際して巨額の金を払わなくても済みそうだと伝えている。
ブリトニーさんは2004年1月に幼なじみと結婚したが、55時間後に解消。同年、フェダーラインさんと出会い、3カ月後に結婚した。しかし、両人をめぐっては、早くから離婚のうわさが絶えなかった。
(時事通信) - 11月8日13時10分更新
Kフェドは前回の放送でラッパーとしてジョン・シナに対抗したものの、FUを浴びてKOされました。
今回はその復讐をしたいようで、助っ人として呼び込んだのはWWE王者のキング・ブッカーでした。
ブッカーはKフェドを絶賛、褒め殺しかと思いきや本気のようです。
続いてECW王者ビッグ・ショー登場。
ブッカーとショーは「サイバー・サンデー」で賭けられるべきタイトルをシナの持つ世界ヘビー級王座にしたいという点では一致しています。
ただ、そもそも両者の立ち位置は異なっているので共闘するわけでもなく、二人の間で口論が起きてしまいました。
そこで世界ヘビー級王者ジョン・シナ登場。
「レッスルマニア22」では同地で猛烈なブーイングを浴びたシナですが、今回はそれほどブーイングは起きませんでした。ただ、歓声も少なかったので、全面的に支持されているとまでは言えないようです。
ショーに対しては「マシュマロマン」「ジャバ・ザ・ハット」呼ばわり。
ブッカーに対しては、白人ラッパーのKフェドを評価したことで「黒人失格」呼ばわり。もっとも、当人がヴァニラ・アイスの劣化コピーなので説得力はありません。
ブッカーを罵倒した直後、なぜかファルークことロン・シモンズ(黒人)が姿を現しました。
そして一言「Damn!(くそったれ)」。それだけですぐに引っ込みました。
以前「ホォーーーーー」の為だけに出てきたジム・ドゥガンのように、準レギュラーとして復帰するのでしょうか?
ケニー w/z スピリット応援団 vs “ネイチャーボーイ”リック・フレアー
前の試合でメンバーと揉めたものの、とりあえず今回は応援団をセコンドに付けて試合に臨むことになりました。
ネイチは対戦相手だけではなく応援団メンバーの介入にも気を配らなければなりません。
しかし、この試合には強力な助っ人を用意していました。
まず始めにサージェント・スローター登場。
続いてバグパイプの音が鳴り響くと、“ラウディ”ロディ・パイパーが姿を現しました。
それだけでは終わりません。
次に入ってきたのは、なんと“アメリカンドリーム”ダスティ・ローデスだったのです!!
入場テーマを耳にした瞬間、私は思わず「うぉぉッ!」と声を上げてしまいました。
彼らは数十年ほど前からフレアーと激しい戦いを繰り広げてきたよきライバル達です。
特にローデスは、NWA王座を獲ったり獲られたりしてきた(ローデスが直接フレアーから奪ったことはありませんが。タイトルマッチで勝ったのに無効にされたことはあります)最大のライバルでした。
○ケニー(タイツ掴みスクールボーイによるピンフォール)フレアー×
※場外の応援団に気を取られたフレアーの後ろから丸め込んで
更にフレアーを痛めつける応援団にレジェンドの3人が突っ掛かって大乱闘となりましたが、レジェンドが応援団を圧倒してリングから追い払うと、四人は抱き合って喜びを分かち合っていました。
ローデスは懐かしのダンスを披露。
World Wrestling Federation 移籍当時、水玉パンツを履いて踊っているローデスの姿を見て失望したファンが多かったと聞いたことがありますが、それも今となってはよい想い出です。
WWE ダスティ・ローデス アメリカン・ドリーム絶賛発売中。
(誰もレビューで絶賛していないのが泣ける。ローデスに¥8,316(税込)出すのはちょっとな…)
“ザ・ゲーム”トリプルH w/z ショーン・マイケルズ vs ランディ・オートン w/z エッジ、リタ
エリック・ビショフが久々に登場。どうやらビショフの著書のプロモーション活動のようです。
「サイバー・サンデー」では、ビンス、ビショフ、コーチのうち誰かが特別レフェリーとなります。
ネット投票で決まるのですが、普通に考えたらビンスが選ばれるに決まっているので、ビショフを選ばせる為に何か仕掛けてくるかも知れません。
ビショフとD-Xの因縁というと、D-XがNitroの会場に戦車で乗り込もうとしたことが思い出されますが、当時HBKはいなかったのでちょっと弱いようにも思えます。
フィニッシュの流れが複雑だったので箇条書きにします。
- リタが場外からHHHの足を掴む
- HHHがリタに掴み掛かる
- オートンがHHHの背後から捉えてバックブリーカー
- HBKがエプロンサイドに立ってレフェリーに抗議
- ダウンしていたHHHが立ち上がったところを狙いすましてオートンがrKoを仕掛ける
- HHHがディフェンスしてオートンを突き飛ばす
- レフェリーのマイク・キオーダがHBKに注意していた後ろからオートンが衝突、キオーダ失神
- HHHがオートンを捉えてペディグリーの体勢に入る
- エッジがリングに入りHHHにスピアーを決める
- HBKがエッジを引きずり出して防護フェンスの外に放り投げる
- なぜかコーチがレフェリーの代わりにカウントを入れる
- 2カウントでHBKがコーチを引きずり出す
- HBKがコーチにスイート・チン・ミュージックを決める
- エッジがHBKをリングポストにぶつける
- エッジがリングに入ってHHHにスピアーを仕掛ける
- HHHがかわしてエッジを場外に落とす
- ビショフがオートンに椅子を手渡す
- オートンがHHHの頭を椅子で殴る
- タイミング良くキオーダが蘇生して3カウントを入れる
○オートン(ピンフォール)HHH×
ああ、ややこしい。
とにかくこの試合でビショフとD-Xの間に因縁が生まれたのは間違いありません。
「サイバー・サンデー」までにどんな動きがあるのでしょうか。
(余談)レフェリー誤爆について
WWEの中でも特に誤爆失神が多いレフェリーとして知られているのが、この試合を裁いたマイク・キオーダです。
誤爆失神は、かつてはアール・ヘブナーの十八番だったのですが、キオーダがメインを裁けるレフェリーになると、その芸も受け継ぐことになりました。
ヘブナーが解雇された現在では、キオーダこそが“誤爆の帝王”といえるでしょう。
たまに失神そのものを「ヘブナる」と言う人がいるのですが、本当は異常なまでに遅かったりやけに速かったりするカウントのことを表す言葉です(スラングに本当も嘘もないのですが)。
失神の多さは、荒れることの多いメインイベントや主要なタイトルマッチに出る回数が多いということを意味しています。
つまり、誤爆失神はレフェリーにとって勲章のようなものなのです。