第8章・部長ってノリで仕事してるのかい
<自社の社員の派遣先が決まらない期間>を中小ソフトの偽装請負会社では待機期間と言う。
オレの場合この待機期間が非常に長かった。普通ならば2ヶ月程で派遣先が決まるのだがなんとオレの場合は9ヶ月だ。
恐らく前の会社ではワースト1だったと思う。派遣先の面談の評判は悪くはなかったらしい。だが、色々な大人な事情が重なりオレは9ヶ月の間一人で自習と言う苦行に追いやられた。
外に巣立った同僚は研修期間を終えて給料も手取りで20万程になっていたが、待機期間のオレは15万だった。*1
嗚呼、なんと言う不条理な世界!
明らかに運が悪いだけの理由で(中小)会社と言うのはで給与に差が出るのだ!
しかしこの状況を甘んじて受け入れた。むしろ納得していた。
だって平等なチャンスを与えられる会社なぞ、一部の大手だけだ。
オレはそんな大手に入る実力もない。ただの社会的弱者。それが嫌ならば実力を付けてとっとと社会的強者になるしかない。
この会社はダメだ。なんて言う人はいる。
会社に何を望むのか?待遇に不満なら辞めれば良い。
特にソフトの世界は実力さえあれば何処にでも就職できる。*2
実力さえあれば必要以上に卑屈な態度を取る必要もない。
力を持っているモノが市場にダンプを掛け市場を支配する。
独禁法に引っかからない様に金で力のある最強の屁理屈コネ(敏腕弁護士)を雇う。
先生達(政治家)と手を組み自分達に都合の良い掟(法律)を作り。さらに下流層から金を巻き上げようとする。
この社会は平等ではない。幻想は捨てとっとと現実を見て社会的強者になるしかない。
みんなそんな事は解っている!ただ、認めたくないのだ。
しかしそれが、資本(力)主義社会なのだ。
嫌なら資本主義ではない違う国に行くしかない。もしくは平等な社会が作りたければ自分が社会に影響を及ぼす力を持つしかない。
根本的にオレ達は資本に犯されているのだ。
後に書くがオレはこの平等を実現する為にこのブログを書いている。
話は変わって
中小の派遣もどきのソフト会社は信用してはいけない事が多い。理不尽な事を平気でやらされる。
派遣先が求めているスキルが無いにも関わらずPGに「出来ます」と言わせて客先に放り込む。
このスキルの上乗せを下駄を履かすと言う。*3
この下駄を履かして得をするのは派遣旋回企業だけだ、受け入れ企業は払った分の見返りは無い、PGも肩身が狭い思いをさせられるだけ。
何度もオレは下駄を履かされた。それも花魁の下駄くらい高い高い下駄を何度も履いた。
営業に中年の山さんって人が居た。この人、下駄を履かす為に適当な指示を何度も出してきた。
山さん「そろそろCGIの仕事がとれそうだからPerl言語をやりなさい」
「VBAの面接が入ったから来週までにVBAの事を(嘘がばれないように)覚えてきて。。。。」
等など・・・・
その言葉を聞き、入門書を片っ端から自腹で買って純情無垢なオレはマジメに勉強した。*4。触れた言語は4つ位だったが、どれも半端で大して意味がなかったと思う。
その後やはりこの人もその後連絡無し。。。
数ヶ月後にはオレは山さんの話はスルーするようになりました。(山さんも「これ以上注文したら切れる?」と思ったのかw)
会社に入り数ヶ月経った時にどうすればソフトで飯が食えるかを考えるようになった。
そう、市場リサーチだ!市場に対してどんな商品(オレと言うソフト技術者)を作るのか?
2CHなどで情報を集めた。
そこで目にするC言語とJAVA言語のどっちが最強!?あくなき宗教戦争!*5
その情報からC→JAVAの方が理解しやすそうだったのから取り合えずC言語を始める事にした。
入門書を一ヶ月でこなし次に応用書に手をだした。
そしてホントの技術書にぶち当たった!!
今までとは勝手が違った。コンパイルとは。。。ANSIに準拠した・・・・・等と書いてあり、入門書にある比喩表現が全く入ってない。まさにコンピュータを知らないと理解できない。
また、試練ですか。。。もうね、疲れたよパトラッシュ(T_T)。。。等と弱音を吐きながらも勉強を進めた。
読めば読む程眠くなり完全に頭はオーバーフロー。しかしなんとか3ヶ月間勉強を進めた。今思うと再帰は5割方理解しポインタは1割程の概念しか理解しか出来ていなかったと思う。
なんどもポインタは理解しようとしたが無理だったのでポインタ専門の本を購入した。マスター(師匠)がいないオレにはやはり本しかなかった。
休日に図書館に足を運びポインタの本を読み、何度も紙にメモリを書きPGの動作をシミュレートした。それでもこの鬼門のポインタの仕組みは余り理解は出来てなかった。*6
何をすれば解らない状態が続き会社からは完全放置でオレは精神的に参っていた。
同期は全員外に出向しオレ一人だけ残っている状態。
人は必要とされなかったり、存在を軽く見られない状態が続くと辛い、そんな状態が半年は続いた。
ストレスで体重が10kg以上は増えた。
オレも子供が産まれるのに未だ社会人として独り立ちが出来ない状況に苛立ちと焦りも重なった。
ある日、部長を捕まえてこう言った。
オレ(@0@)<何すればいいですか指示をください!(会社の指示に従っていると言う具体的な事実を作る為にだ)
部長(θ_θ)<C言語で○○○見たいなシステムを作ってみなさい(まぁ簡単なゲームだった)
簡単なイメージ図を作成して実装をはじめた。
いくつも出てくる仕様の不明点を部長に聞きに言った。
部長(θ_θ)<そこは自分のイメージで仕様を決めていいよ
そう聞いて自分独自の仕様でゲームを作っていった。
苦労したが濃い毎日だった。スタートから14日間でゲームを完成させて部長に自信満々で見せにいった。
しかし!オレはそこで耳を疑うような言葉を聞いた。
部長(θ▽θ;)<オレC言語わかんねぇーんだ彡☆
オレは怒りを覚える事さえ出来なかった。
一瞬今ある状況を見失った。
漫画みたいにクラッとして倒れそうになった
生まれて初めてクラッって来るのはネタでは、無い事をしったw
もうそこからは何もやる気が起きずにボーっとしていた気がする。
そして冬にやっと受け入れ先が決まった。
と同時に子供が産まれた。なんとか一つの家族の形になったと思う。
普通の会社ってなんか適当なんだな。夜商売はもっと一つ一つの発言に重みがあったぞ!
スペック
年齢:20半ば
職業:エセプログラマー
将来の夢?:ソフト開発が出来る事になる
スキル:C言語のさわりを覚えた