『封神演義(上)』 安能務訳 講談社文庫

 中国三大奇書の一つと讃えられる封神演義。内容は『宝貝』と呼ばれるトンデモ兵器を使った大殺戮。メインキャラ400人中365人が死亡するという序文に期待が高鳴る。
 内容も期待通り。「暇だから」「面白いから」「なめられたし」「人口増えてきたし」etc…。そんな理由で人を殺す仙人達が目白押し。人格破綻者ばかりでかなり楽しい。というか、今んトコまともな仙人が一人も出て来てないんだが…。
 また、時々出てくる中国語の発音がかなり可愛いらしい(くーにゃん、にゃんにゃん、いぇいぇ)。拗音が多いからか?ナ行とヤ行の組み合わせはもはや犯罪のレベルに達しているといっても過言ではない。

 『封神演義(中)』 安能務訳 講談社文庫

 ああ、聞仲が死んでしまった。快楽殺人者しかいない仙人達に対して果敢に戦ってきた聞仲が死んでしまった。暗愚になった王様を必死に盛り立ててきた聞仲が死んでしまった。ご冥福をお祈りしよう。
 それにしても十絶陣の破り方すげーな。仙人って一体何なんだろう?こんな人たちを崇めてほんとにいいんだろうか?