久々にアンプの試聴。Ayre V-1である。以前、同社のV-3を自宅で聴いたときは、あまりにも素直な音にびっくりした。プリアンプのK-1もNAGRA VPAと組み合わせたことがあるが、そのときもソースの音をそのまま出すような印象を持った。どこまでも素直。これは設計者のチャールズ・ハンセンのキャラクターそのものなのかもしれない。

とはいえぼーぼぼさんだって、野口三千三先生に「素直でよろしい」といわれた男である。今回、チャールズ・ハンセンが自宅でJBL S9800を使っていると聞いて試聴してみたのだが…。印象は変わらず、どこまでも素直。レンジは広いし空間も広い。パワーに不足はないし、性能が高いアンプであるのはわかる。でも…。音楽を聴いていて楽しくないのだ。HAFLER P4000のときは「あれも聴きたいこれも聴きたい」となるのだが、V-1では次のレコードに手が伸びない。これはちょっと意外だった。V-1はアメリカではミュージカリティのあるアンプという評価があるからだ(マークレビンソンとの比較で)。

これは意外と「我がまま」なアンプなのかもしれない。ケーブルを厳選し(AyreにCARDASは必須だという)、インシュレーターやボードを当てがってやれば表現は変わるだろう。でもぼーぼぼさんとしては、そんな暇があったら音楽を聴いていたい。オーディオ機器はぽんと置いていい音がしてほしいのだ。うーん、どっちが我がまま?