世界旅日記

フィリピン人と結婚した日本人妻によるハロハロ(雑記)ブログ

恋人までの距離

Before Sunrise「(邦題)恋人までの距離」はお薦めです。
 いろんな意味で旅をし続けている人、直感を信じていない人に特にお薦めの映画です。

 アメリカ人青年ジェシーイーサン・ホーク)とフランス人のセリーヌジュリー・デルピー)の14時間一緒に過ごす中で恋に落ちるという話。行きずりの恋か、一生の思い出か、それとも・・・

 小気味の良い二人のやり取りが、ハリウッドのような大きな仕掛けのない映画ながら観てる人を惹きつけます。
 二人がブダペストからウィーンに向かう列車でたまたま隣合わせになるところから話がはじまります。セリーヌはパリに帰る途中。ジェシーは明朝に飛行機でアメリカに帰る予定。しかし、ジェシーはお金がないためアメリカ行きの飛行機に乗るまでの一晩をホテルに滞在せず、ウィーンの街をぶらつく予定と告げます。そして、彼女にそれに付き合って欲しいと誘い出します。彼女も何か惹かれるものがあり、彼の誘いにのるわけです。
 夕方のウィーンをぶらつき、大観覧車に乗ったり、いっしょに食事をしたり、占い師にあったり、酒場にいったりして話しを重ねるうちにお互いひかれ合っていることに気がつきます。ただ、明日になればジェシーアメリカに、セリーヌはパリ(ヨーロッパ)と、大西洋をはさんで別々になります。二人は二度と会わないことを約束しますが・・。

 よく考えると、奔放で、向こう見ずで行き当たりバッタリな感じです。お互いどこの誰だかよくわからないわけですから。
 旅したり、日常生活をしているといろんな人に出会うわけですが、中にはハッタリをかます人、自分の話ばかりする人、短い時間の中でいろんな人間性を垣間見るわけですが、そんな中でどれだけ映画のような出会いができ、また映画のような出会い−何か惹かれる−という直感の声にどれほど、素直に従っているのかと独身時代に観て、自分の中にちょっとしたセンセーションを引き起こした映画です。何分自分は石橋を叩いて、叩いて叩き壊して渡るタイプなので。

 9年後に映画化されたbefore Sunsetで気になる二人の約束、その後の生活を知ることができます。
 
 しかし、個人的にはこのタイトルはビフォーサンライズ(日の出まで)、英語のままのほうがよかった気がします。この映画のキモは時間性の中に存在するので、「距離」ではないのです。