山と渓谷

NORO2008-11-05


午後になって動くエネルギーが溜まって来ても、やる気は溜まってこず、ベッドの上で悶絶していたら、布団の中からひろし*1が顔を出して、こう言った。


「散歩でもしてみたらどぅよ。ちったあ気分転換にはなるぞ」


散歩か…行ってみようかな。ありがとうひろし。
というわけで、ウォークマンとお茶と携帯を持って、家の上の方に歩いていった。
しばらく歩いたら、橋に着いた。我が家の標高は田舎らしくそれなりに高かったりするので、橋から下を眺めると目が眩む高さだ。
落ちたら助からないな、と思った後、死ぬ事について考えてしまった。ついさっきまで、部屋で枕に顔をうずめて
「死にたい死にたくない死にたい死にたくない死にたい死にたくない死にたい死にたくない…」と呟いていたばかりなのに。
死ぬのは簡単だし楽だけれど、怖い。だから生きる。辛いけれど生きていく。それが人生だ。倉橋ヨエコの曲みたいなことを考えていたら、急に涙が止まらなくなって、人気のない農道を、号泣しながら歩いて帰った。
帰って部屋に戻ってからも、嗚咽は止まらない。枕に顔をうずめて泣き叫ぶ。


一通り泣き終えてから、カーテンレールが目に入った。
ここに布団のシーツをねじって巻いて吊せば、首は吊れるな…となんとなく思った。それから、親や妹達はどうするだろうと思った。怒るだろうか。泣くだろうか。悲しむだろうか。


その途端、また涙が出て来た。



死にたくないのだ。自分は。だから泣いているんだと気付いた。
今は心身の調子は悪いけど、やりたいことがある。TRPGの企画を持ち込んだり考えたりしたい。TRPGも遊びたい。peercastで配信もしたいし、配信を見たい。それから、ワンピースの続きが読みたい。H×Hの続きが読みたい。
泣きながら、それらを一つずつ口に出していった。自分にはこんなに死ねない理由がある。生きる力を与えてくれるものがある。


全部言い終わったら、涙は引いていた。
そして自分は、明日も生きる。

*1:元同居人で今は相棒のハンドパペット。本名は犬ひろし。