困ったなあ

いまいち何がかみ合ってないかわからなかったりするのですが。

では、殺人犯に重い刑罰を科す法制度は、殺人行為に対する抑止力のために唯一の手段でも絶対の手段でもないから、廃止すべきかというと、そのことに賛同する人というのはおそらくほとんどいないでしょう。完全には抑止できなくとも、それなりに抑止できれば、社会的あるいは法的なシステムとしてはそれなりに有効なものであると評価しうるのです。

法システムにおいては唯一であることも絶対であることも不要である: la_causette

そういうことを言いたくて唯一でも絶対でもないと言っているんじゃなくて、実名であることがそもそもの要件じゃないと言いたいんですよね。抑止力としての重い刑罰を科すというのは社会的に妥当な選択肢だからであって、他にも色々やり方があるわけです。
じゃあ、全て実名にすべき、というのが社会的に妥当な選択肢かと言うと、まだ議論の余地があるよね、と言いたいだけなんですよ。
トレーサビリティーを実名や住所で担保することが妥当であるかどうかが議論されない状態のまま実名であるべきと主張するのは酔払い運転は死刑にすれば抑止力はあるよね、というくらい短絡的な発想だと思っています。
もちろん、議論を尽くした挙句に実名であるべき、その為には世の中の仕組みをこうするべき、という結論に達するかも知れませんけれども、実名にすれば全て解決!という話ではないんじゃないですか?それとも全て実名にしたらネット犯罪はなくなるということを言いたいのですかねえ。
僕はどちらかというとトレーサビリティーは大事だと思っている方ですが、実名を出すことがそれにあたるかと言う点でまだ議論の余地が山ほどあるんじゃないかと思っているわけですよ。

ウェブ圏とか実名とか雑感

ちょこっとメモ代わりに

ネット上では「泣き」や「脅し」による強弁が使いづらい。
個人名や住所をさらすと「脅し」が可能になってくる。
それを要求する人間は信用できない。

2007-03-14

事の経緯を簡単に説明すると、今から約1年前に、世間を賑わせたある事件に関して記事を書きました。
(中略)
で、今年の3月7日にこの1年前の記事に対して、弁護士名義で 「この記事によって重大な被害を受けている。3月10日までに記事を削除して20万円を指定する口座に振り込め。そうしないと訴えてより多額の賠償金を請求する。」 という内容のメールが送られてきました。

【サイト持ちの方は必読】 例の訴訟メールに関して広く注意を促さないといけなくなった。 | C.I.L.

匿名を悪用するのと同じくらい実名を悪用される可能性もある。トレーサビリティーはその両面において有効なのであるから、それによる抑止力とそれによってむしろ増大する力をバランスしなければならない。だから、前書いたとおり、「現実の社会側で今ウェブ以外のところで使用している実名」よりも遥かに広く実名(ここでいう実名とは小倉先生などがいう住所その他を含んだ個人レベルでもトレース可能な情報)流布されてしまうということについて、社会システムがそのデメリットを上手く解消しなければならないのです。
せっかく個人情報保護法とか作っても使う側のリテラシーの問題でかえって運用が不便になって悪い奴はより悪いことができる社会になってしまっては意味がない。むしろ現状で実名でネット活動をすることはよほど注意力のある人でない限り犯罪被害者予備軍であることを流布するのが法曹界に従事する人の仕事とまで考えてしまったりします。

ネットというものを利用するにあたって「リンクされたくない」と考えること自体が間違いだということを教えてあげれば済む話だと思います。

異文化衝突 - カナかな団首領の自転車置き場ダイアリー

これは※欄から。これも前書いたことだけど、もちろん僕もいわゆるネット原理主義者(あえてモヒカンとは言わない)としてはリンクはフリーであるべきだという原則は守られて欲しいと思っていますが、前書いたとおり文化圏の衝突と言う視点がないとお互いの超えてはならない一線を簡単に踏んでしまうことになって、結果として分かり合えないということもあるんじゃないかなあと思うわけです。

あー。なんつか、世の中には、空気読まない奴もゐるワケで、ましてや、敵を作ったら、空気どころの騒ぎでも無くなるワケで、そういうサイトの運営者って大変だよね、って話。

異文化衝突 - カナかな団首領の自転車置き場ダイアリー

こっちは本文。結果としてそうなっちゃうんだよね。お互いが何も考えず自分の文化を全開にすると。