「w」は嘲笑かを語源から探るの続き

想像通り、この件に関しては色々とコメントいただき、複数文化圏の存在を確認しましたのであらためてまとめてみます。発祥と言う点では、複数の文化圏から並行的に発生したものがインターネットの発展で融合し、形を変えていったというわけで、「もともと」は複数あってよいんじゃないかと思います。

「w」が何を意味しているか

  • (笑)説:主流ですね。Diabloは1996年ですから、一般人的インターネット前史時代(1990〜4年頃)には草の根BBS上で既に使われているのを確認していますから、海外ネトゲがいちばん最初ってわけではありませんが、ここで初めて見た、使ったって人は結構いる感じですね。Diablo1はチャットで日本語が通らなかったから、という合理的な理由もあります。
  • (を説:これはあまりメジャーではないようですね。これも、一つの文化圏としては確実に存在しました。「(ぉ は、X68000での文字化けが起源だったと思います。(記憶が定かではないのですが、(笑)が化けたのがそうだったかなあ)」と言う話もコメントいただきました。ただ僕は「(ぉぃぉぃ」などを目撃しておりますので、これも単一起源ではないのかもしれません。
  • 「携帯文化で「v」ではハートマークを表す。で、「w」は「ハートマークいっぱい」を意味する場合もある。」:なるほど
  • 「前歯を賢しらに見せて嘲笑している場面なのかな、と勝手に思ってました」:ビジュアル的ですね。これもありそうではあります。

ニュアンスの差異について

  • wの複数=嘲笑に傾くって…。wの複数は爆笑じゃないのかと。
  • 結局文脈ってなにこの結論wwww 嘲笑かどうかはっきりしないから使いでがあるんじゃないかw
  • 全然嘲笑の意味で使ったことないや。
  • 今は微笑みくらいの気持ちで使っていることが多いけど誤解されやすいのかなー
  • 私はむしろ「(笑)」のほうに人を見下したさめた笑いのニュアンスを感じる。それぞれがコーパスの違いかな。wwwwwwはぴゅな笑い(ぴゅあ
  • m9(^Д^)プギャー、藁、ワラ、ゴルァ などの感情表現。多用されすぎてカジュアルになってしまっていても、もともとの意味はどれもそれなりに侮蔑用。

とまあ、すごい衝突ですね。いちばん最初の意見のような印象を持ってる方は、それが自分の文化圏だけの常識である可能性をもうちょっと考慮したほうがよいと思います。こういう省略語において、複数の意味やニュアンスが存在する場合、「自分がそう思って使っている」と「相手が解釈する」ことが同一で無い可能性のほうが多いと思われますので、仲間内で、同一の解釈が成立していることが明らかである場合を除いては、慎重になるべきですね。
嘲笑かどうかはっきりしないからって言うのも同様に危険で、「そんなつもりはなかった」という言い訳が効く相手かを見極めないと使えませんよね。で、その「wwww」は嘲笑ですね。帰れ!(ぉ*1
余談ですが、関西でバカというのと関東でアホというのは関西でアホというのと関東でバカというのとはニュアンスが全く違って、本気で侮蔑している、との説を良く聞きますし、実際周りの人の反応を見てもそれなりにそういう傾向はあるように思えます。こういう文化圏による、言葉のニュアンスの違いは普段一つの文化圏に属しているとついつい忘れがちなんですが、文化圏を飛び越えるときにはそれなりに意識しておかないといけないですね。

wの複数使用

複数使用は強調表現ですね。つまり、wに込められたニュアンスが増幅されるということになるのですが、あまりに多すぎるとギャグにしかならないという面白い特性もありますね。僕は複数あると嘲笑のニュアンスが強くなると思っていましたけれど、複数だと爆笑を表わす説も浮上したので、一概に負の方向へ増幅するものでは無いようです。
複数使用の発生源はネトゲ2chか、あるいは両方のような気がしますが、2chの嘲笑の笑いの主流は「(藁」だったので、ネトゲ上の迷言のコピペにより広まったようにも思えます。「みwなwぎwっwてwきwたwぜ」は僕もROだったと思います。

最後に

先にも触れましたが、複数文化圏で言葉の意味が違う可能性は、短くかつ多重的なものについて、より多くなります。漢字は短くても意味がこもっていることが多いため、上記のバカアホ的な同じ意味が別のニュアンスで使われるような言葉以外ではなかなか衝突しづらいですが、アルファベットや省略形などは危ないですね。幸せなコミュニケーションのためには、ホームグラウンドならともかく、アウェイで省略語を使うときは、常に違う受け止められ方をするかも知れないことを意識しておいた方がよいと思います。

*1:と言うのを(wとしていたわけですな