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2016-01-10 Arduinoでスマートメーターからリアルタイムに消費電力を取得する

スマートメーターからリアルタイムに消費電力を取得する

少し前からスマートメーターの導入が始まっています。東電2020年度末までに一般家庭などへの導入を完了させるそう。

http://www.tepco.co.jp/smartmeter/index-j.html


東電の場合、電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)を申し込むと、優先的にスマートメーターに交換してくれます。特に費用はかかりません。スマートメーターが設置されるとでんき家計簿から30分毎の電力使用状況グラフ(0.1kWh単位)を見ることができるようになりますが、加えて上記サービスに申し込むと、スマートメーター家庭内HEMS機器との間(これをBルートと言います)で通信を行うことが可能になり、リアルタイムで詳細な電力使用状況(瞬時電力値(W)、瞬時電流値(A)など)が取得できるようになります。


利用にあたってHEMS機器サービスの導入に費用がかかるのがネックですが、HEMSに使われている無線通信方式(Wi-SUN)やプロトコル(ECHONET Lite)はオープンな規格であり対応する通信モジュール一般販売されているため、自作の機器でもBルート通信を行って電力使用状況の取得ができるはずです。


というわけで瞬時電力値の取得に挑戦してみました。


作ったのは、7セグリアルタイムに瞬時電力(W)が表示されるというもの。シリアルPCからも値を読み取れます。

f:id:NeoCat:20160110145512j:image:w450


まずはBルートサービスに申し込み

自宅の場合、スマートメーターへの交換は申し込んで1週間ほど(週末を指定したので)でやってくれました。要立会い、作業は15分くらい、そのうち5分くらい停電しました。交換後、翌々週くらいにBルート接続用のIDパスワードが送られてきました。トータル3週間ほど。


使用した機器

その間にWi-SUN関係の通信機器をこちらなどで購入しました。→ https://www.zaikostore.com/zaikostore/itstoreWireless?cid=3#c2


 (DT101EACV101の方が簡単に使えますが、購入できない場合は BP35A7A でもOKと思います。)


BP35A1は電圧が3.3Vで、5Vには対応していませんので、USBシリアルArduinoも3.3Vに合わせる必要があります(または適切に分圧やレベル変換が必要です)。


シリアル対応7セグは手持ちの古い版なので、真似する場合は適当に別のものに置き換えた方がいいでしょう。(その場合、下記のスケッチの dig というキーワードが出てくる部分の書き換えも必要でしょう。)


なおPCで使う場合は、WSR35A1-00 というUSBシリアルとBP35A1を一体化したUSBデバイスも売られているので、これが一番簡単でしょう。


Wi-SUN通信モジュールBP35A1のデータシート等は以下にあります。

http://micro.rohm.com/jp/download_support/wi-sun/


追記

Arduinoではなく、RaspberryPiなどのLinuxボードを使う場合はこちらの記事もみてください。

スマートメーターの瞬時電力や履歴をWebブラウザで見る - Okiraku Programming

事前準備

BP35A1はDT101EACV101を噛ませ、さらに XBeeの載る「C基板」上に乗せました。

C基盤にはArduino Pro MiniUSBシリアル接続と同配置になるようピンヘッダに配線し、PCと簡単につなげるようになっています。

f:id:NeoCat:20151220172503j:image:w300


BP35A1とArduinoは直接シリアル通信で利用できます。ただ、Arduino Pro Miniは一系統しかハードウェアシリアル(UART)を持っていないので、ここにBP35A1を繋いでしまうとPCシリアル通信ができなくなり、デバッグ等が困難になってしまいます。そこで、BP35A1はArduinoソフトウェアシリアルを使って接続することにします。*1

ソフトウェアシリアル欠点として、半二重なので送信と受信が同時にできない、通信速度が高速だと不安定になりやすいという問題があります。BP35A1のデフォルト設定は115200bpsなのですが、3.3V/8MHzのArduinoでは文字が化けたりして正常に動作しませんでした。そこで,事前に通信速度の設定を9600bpsにし、さらに文字間にウェイト400μsを入れるように変更しておきます。


これは、BP35A1をPCUSBシリアルの3.3V, GND, TX<->RXの4本で接続して、ターミナルソフトを115200bps設定で起動します。

Arduino IDEシリアルモニターでも改行コードCRにすれば通信できますので、これが手っ取り早いでしょう。

WUART 43

というコマンドを実行すればシリアル設定はOKです。一度設定すると内蔵のフラッシュに保存され、電源を再投入すると以後は9600bpsでの通信になります。


PCに直接繋いで利用する場合はこのシリアル設定は不要です。また、設定変更後にデフォルトの設定に戻したい時は WUART 00 を実行すればOKです。

配線

こんな感じでブレッドボード上に配線しました。

スケッチ

ArduinoスケッチGist上に置いてあります。

https://gist.github.com/NeoCat/72390f357d3ee2ce339d

Bルート用のIDパスワードスケッチの先頭のID, PASSWORDに設定し、Arduino書き込みます。

//#define DEBUG

と書かれた部分のコメントアウトを外すと、詳細な通信状況がシリアルに出力されるようになります。


概ね以下の処理を行っています。


ちなみに自宅のスマートメーターは最初なぜか異常状態になっており、セッション確立は出来るものの、EPC 0x88 = 0x41 (異常あり)を返し、かつ瞬時電力や累積電力なども取得しようとすると"非対応"のエラーを返してきていました。電力会社スマートメーター推進室ということろに問い合わせてEPC等の状態を伝えたところ、遠隔でスマートメーター通信機能のログ確認やリブートを行ってくれ、その結果無事に瞬時電力等が取れるようになりました。言ってみるものですね。


参考資料

スケッチ

*1Arduino LeonardoであればUSB用とハードウェアシリアルが分かれているので簡単だったかも。

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