オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は休日でしたがとある方々ととある湿地帯にて調査。

美しい休耕田!この場所の持ち主の農家さんはカエルが好きで、カエルが増えるように水を張ってくれているとのことでした。

そしてカエルがたくさんいました!立派なトノサマガエルです。

こちらは別のトノサマガエル。本種は福岡県内では絶滅危惧IB類。平野部ではほとんど見られません。妥当な評価と思います。しかしここはトノサマガエルの楽園でした。

こちらはニホンアマガエル。当たり前の風景、と思われがちですが本当にこうした風景は少なくなってしまいました。いつまでもこんな湿地帯の風景が見られる日本であると良いなと思います。

日記

今日は湿地帯調査。某川。

産卵間近の大きなヤマトシマドジョウです。たくさん増えると良いです。

今年生まれの小さなカマツカです。生後3~4週間と思われます。大きく成長すると良いです。

トウヨシノボリ!この地域らしいトウヨシノボリです。最近減ってる印象でしたが今日はたくさんいました。良いことです。

アユです。今年は各地で何故か遡上量が多いのですが、福岡県内も同様です。天然遡上アユが堰下で溜まっていました。うまく上流にのぼれると良いのですが(魚道はあります)。

しかし!ヨロシクないのがこちらのメダカ。ギンギラしている改良品種メダカです。川にメダカを捨ててはいけません。誰も幸せになりません。回収しました。

日記

今日は湿地帯調査。

アカハライモリです。写真を撮ろうとしたらひっくり返ってしまいました。鮮やかな赤!

チャイロマメゲンゴロウ(左)とマメゲンゴロウ(右)です。大きさは全然違いますね。

 

今日の目的の一つはこちら!コバンムシの生息確認でした。福岡県では希少野生動植物保護条例に基づき、無許可での採捕が禁止されています。しかし禁止しているうちにいなくなってしまったら無意味なので、許可を得て毎年生息状況の調査を行っています。今年もうまく繁殖して欲しいです。

帰りがけに図鑑とかで見たことのあるキノコがはえていました。思ったより大きいです。キヌガサタケそのものでしょうか?詳しくないのでよくわかりません。

 

場所を変えて調査の続き。ドンコです。なぜかむき出しの状態で卵保護していたドンコ君。本当は上に木かなんかがあってここ数日の増水で流されたとかでしょうか?判断に迷いましたが、そのままに。うまく孵化することを祈ります。

コイです。福岡県レッドデータブック2024では「情報不足」としてコイ(在来系統)が新たに加わりました。かつて確実に県内にいた在来コイ。どこかのため池に残っていないだろうかなどと思っています。今後しばらくは怪しいコイを見かけたら標本にしておくと思います。

 

今日の最後の湿地帯。すばらしいエコトーン!生物多様性豊かでした。

日記

この時期から湿地帯ビオトープをはじめると、場合によっては「ボウフラ」が発生することがあります。ボウフラとは蚊の幼虫です。身近で発生して問題になるのはヒトスジシマカアカイエカが多いかと思います。

こんな感じで水面に浮いています。驚きますが、しかし慌てず騒がず、金魚網ですくって駆除すれば問題ありません。しょせんは小虫です。なお、この写真は湿地帯ビオトープではなく、その辺にあったコンテナに水がたまったものです。エコトーンも何もない、まさにボウフラが好みそうな水たまりといえます。

これが金魚網です。そーっと網をいれないと、危険を察知したボウフラたちは下に沈んでいきます。

さっとすくうと、この通り。しばらく見ていると逃げたボウフラたちは再び水面付近に浮いてくるので、何度か繰り返すとたくさん捕まえることができます。なお、エコトーンが機能してヤゴなどがやってくると、こうした密度での大発生はまずありません。これは各地の湿地帯ビオトープマスターたちからも聞いていますので、そういうものなのだろうと思います。ボウフラというのは捕食者に大変弱く、したがってエコトーンがない、狭い、他の水生昆虫がいない湿地帯を好むのです。こちらは以前に書いた記事です。参考までに・・

oikawamaru.hatenablog.com

さて、捕まえたボウフラは面白い形をした湿地帯生物なので観察しても楽しいですが、飼っているメダカや金魚などがいれば与えると喜んで食べます。

これは私が飼育しているカワバタモロコが喜んで食べている様子です。ということで梅雨も迫る中、改めて湿地帯生物・ボウフラについて考えてみてはいかがでしょうか。

日記

旅の思い出続き。石垣島で出会ったカエル編です。あんまり時間もなかったのですけど、それでも多様なカエルに出会えました。さすが石垣島

アイフィンガーガエルです。ものすごく久しぶりに出会いました。ひそかに今回見たかったのですが、運よく最終日の夜の山で出会うことができました。

 

オオハナサキガエルです。大きくてかっこいい個体。よく見たら鼻にヒルがくっついているようです。

 

ヤエヤマアオガエルです。小さくてかわいい・・

 

ヤエヤマヒメアマガエルです。水溜まりに産卵に来たメスでしょうか?この独特の雰囲気たまりません。

 

ヤエヤマハラブチガエルです(たぶん)。上陸したばかりの小さな個体です。

 

ヤエヤマカジカガエルです。かつてはリュウキュウカジカガエルとされていましたが2020年に新種として記載されて区別されました。

 

そして最後は特定外来生物のオオヒキガエル。カエルとしてのかっこよさは申し分ありませんが、生態系への悪影響は甚大です。残念ながらたくさんいました。人間が持ち込んだせいでこんなことに・・・ということで人間としてなんとかしないといけません。

 

日記

今日はGWで普通に休日です。ということでポン氏様のリクエストに応じて川に魚とりのレジャーに来ました。

2年ぶり?に来ました。ここはとある希少種が生息しています。状況はどうでしょうか?

いました!アリアケスジシマドジョウです!うつくしい!!この個体はオスですが模様はまだ変化していません。

かつてと変わらずたくさんいました。うれしいです。こちらもオスですが、こちらはだいぶ縦条模様に変化しています。ということでもう1~2週間ほどで繁殖期に突入ではないでしょうか。腹部の大きいメスもいまして、今年もうまく増えて欲しいです。

 

最後はオイカワ。銀色ピカピカ。オイカワは弱りやすいので手を十分に冷やして手のひらに水をためて素早く手乗り写真を撮りすぐに水に戻します。


 

日記

昨日に続いて先日の石垣島与那国島での旅の思い出です。今日は出会ったカタビロアメンボ科!

まずは石垣島

ウスイロケシカタビロアメンボです。止水性で、なんてことはない水たまりやコンクリート桝をのぞき込むとだいたいいます。オスが極端に小さくて、大きなメスの背中に乗っています。

 

ミンサーケシカタビロアメンボです。流水性で渓流の淀みでみられます。本種は2024年すなわち昨年に記載されたばかりのピチピチの新種です。従来から八重山の渓流に”デカいカスリケシカタビロアメンボ”がいることはよく知られており、どう考えても別種だろォォ!!と思っていた人も多いのですが、その沼に攻め込む人は最近まで現れませんでした。しかし”カタビロアメンバー”を名乗る若者たちによる果敢な挑戦が実を結びついに新種記載されたのです。ちなみに名前の”ミンサー”は八重山の織物であるミンサー柄を彷彿とさせる体の模様に由来します。

 

イリオモテケシカタビロアメンボです。流水性でやや薄暗い細流でみられます。茶色い体が特徴的で、さらに写真のようなオスは腹端が突出しているのが目立ちます。個性派です。

タカラナガレカタビロアメンボです。流水性で渓流の岩の隙間や細流などやや薄暗い環境を好むようです。茶色みの強い上質感のある体が特徴的です。

 

ヒゲナガカタビロアメンボです。流水性で渓流の岸際の水面上をすたすたと歩いています。2022年に新種記載されたばかりで、日本産種では他に似たもののない堂々としたエレガントな種類です。実際に野外でも割と堂々と歩いています。

 

そしてこちらはそのヒゲナガカタビロアメンボの長翅型です(gentilisさんご教示ありがとうございました!)。野外での採集例は少なく珍しいそうです。漆黒でさらにエレガントです。

 

アシブトカタビロアメンボです。流水性で渓流の流れのはやい場所の水面上を群れでガンガン泳いでいます。体長3ミリを超え太い脚とあいまったその大迫力のボディが特徴です。我が国のキング・オブ・カタビロアメンボの名を長らく欲しいままにしています(※オイカワ丸調べ)。

 

続いて与那国島編。といってもあまり時間がなくて1種類しか採集できませんでした。

カスリケシカタビロアメンボです。止水性~緩流水性で、薄暗い水たまりや細流の淀みで群れていました。八重山の種類がすべてミンサーケシカタビロアメンボだったのかというと実は違って、本土と同種のカスリケシカタビロアメンボも分布しています(ただし石垣島では未発見)。

ということで実質4日間ほどの調査で、他の調査のついでではありましたが、7種ものカタビロアメンボ科に出会うことができました。実はこの地域にはまだ他に6種もの本科が分布しています(ヒラシマナガレカタビロアメンボ、ケシカタビロアメンボ、ホルバートケシカタビロアメンボ、モリモトケシカタビロアメンボ、ウエノケシカタビロアメンボ、ケシウミアメンボ)。あまり知られていませんが、八重山地域の生物多様性の豊さを示すグループの一つなのです。そして八重山地域の”豊かさ”を守り繋いでいくためには、これらのカタビロアメンボ科総勢13種がこの地域に生き続けられるよう、多様な環境を守り再生していくことが必要なのです。