リスク分散化のはずが・・・
上場まで目指す(上場済み)経営者がやることはざっくり言えば、既存事業で1位を目指すか、事業ドメインを拡大させるかです。つまり、
- 今の事業を極める
- 新しい事業に手を出す
のどっちかです。こういうのはこつこつやるには相当な労力がかかりますので、お金がある会社は手っ取り早く買っちゃいます。(株式交換もあり)M&Aって奴ですね。
さて、ここでまた分かれます。
ざっくり例えてみます。
①トヨタが日産を買収
②任天堂がスクウェア・エニックス(ゲームソフト会社)買収
③ドコモがユニクロ買収
③は一見意味がわからないのですが、企業の特定事業への依存度を減らすというリスク分散化の意味合いがあります。そして、この③のようなことをしてきたIT系企業が注目浴びてたわけですね。(ライブドアとか楽天とか)金融事業っていっても消費者金融に手を出したりです。それはそれは儲かったんですが、ちょっと前に話題になってた貸金業の規制等に関する法律でやばくなったと。一気に赤字に転落し窮地に立たされている大手消費者金融と同じです。
http://ir.gmo.jp/irlibrary/pdf/disclose_info20061211.pdf
全く関係のない事業分野に手を出すことで収益源の多角化によるリスク分散化は出来ます。でも、あんまり儲かってしまうものだから、結局そっちに事業ウエイトを移しすぎてしまい、得意分野でもない事業においてリスクが肥大化し、ドカン。(あ、ライブドアはもうファイナンス部門切り離したみたいですね。)
つまり、事業間での関係性や補完性がないのに多角化はするなと。歴史のお勉強をすれば同じような例はたくさんあります。
IT系が金融やるにしても、消費者金融とかじゃなくてうまくやってるところはある気がするのですが、そういうところが日本でも台頭して欲しいですね。まあ、大手銀行も消費者金融やるくらいだから、当分は期待できないかもしれません。