ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)
■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。
第8話 土牢 OUBLIETTE
■あらすじ
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP8 土牢
誘拐犯に5年間も監禁されていた過去をもつルーシー。彼女の鼻血には、なぜか、今、誘拐されている少女エミリーの血が混じっていたことが判明。二人の捜査の行方は・・・。
お題は「精神と肉体の遠隔共有」。
15歳の少女エイミーが、家に押し入ってきた男に誘拐された。一方、犯行が行なわれた時刻、離れた場所にいたルーシーという女性が突然発作で倒れた。ルーシーはうわごとで犯人が口にしたのと同じ言葉を繰り返していた。
モルダーはルーシーを調べ、彼女も幼い頃誘拐され、5年間も監禁された末に自力で脱出してきたことを知る。モルダーはルーシーとエイミーの間に、同じ誘拐の犠牲者という事で、説明不可能な繋がりが生まれたと信じるが、スカリーはもちろんその考えを一蹴する。さらにスカリーは、ルーシーが誘拐の共犯だと考え、逮捕しようとするが、ルーシーは逃走する。
やがてモルダーたちは犯人の手がかりを掴み、隠れ家に踏み込むが、犯人もエイミーも見当たらず、代わりにルーシーが隠れていた。ルーシーはこの家がかつて自分が監禁されていた場所だと告白するが、スカリーたちはますますルーシーが共犯だと信じ込む。犯人は逆上してエイミーを溺死させようとするが、追いついたモルダーに射殺される。エイミーは既に死んでいたが、突然蘇生した。代わりにルーシーが急死し、死因は溺死だった。モルダーは、同じ犯人に誘拐されたエイミーとルーシーの間に説明不可能な繋がりが出来ていたのだと推測するのみだった。
監督 : キム・マナーズ
脚本 : チャールズ・グラント・グレイグ
■感想
評価は△。
普段は異星人や未知の生物を追い掛け回しているモルダーたちだが、ごくたまに通常の犯罪捜査中に意図せずに超常現象と出会うことがあり、今回がまさにその典型。しかも、今回は、超常現象の対象が犯人ではなく、誘拐の被害者と全くの第三者の間に発生する、というところが珍しい。全く理由の説明のつかない奇妙な出来事が起きる、という点で「世にも不思議な物語」を連想させた。
ただし、テーマはサイコ男による少女誘拐事件ということで、雰囲気は非常に重苦しい。精神が壊れ気味の不気味な男が、泣き叫ぶ少女を地下に監禁する、という展開は見ていて気持ちのよいものでは無かった。当時のアメリカで実際に同様の事件が発生しており、スタッフは批判を受けないように表現を出来るだけマイルドにしたとのことだが、そもそもこんな脚本を通すのはどうかと思われる。
ほぼ全編陰鬱な空気に終始するが、最後に、ルーシーがエイミーの身代わりとなって死ぬ、という展開だけは気に入った。単純だが、誰かの犠牲によって別の誰かが救われる、という展開は、いつでも人の心をそれなりに動かすという事だろう。
■一言メモ
サブタイトル「OUBLIETTE」とは、(天井に扉のある)地下牢のこと。