北朝鮮が5日朝、ミサイルを発射した。先月から警戒状態が続く中、予告
なしに日本海に着弾したテポドン2号。この日は貨客船、万景峰号の入港
予定で、岸壁では拉致被害者家族らが「経済制裁発動を」とシュプレヒコ
ールを上げる。警察や防衛庁など関係機関は対応に追われ、在日朝鮮人
会にも衝撃が広がった。政府に入った情報によると、北朝鮮が5日未明か
ら朝にかけて6発のミサイルを発射、いずれも日本の国土から500〜7
00キロ離れた日本海に落下した。政府は1発は米国の一部も射程に入る
長距離弾道ミサイルテポドン2号」と見ている。

 

ついにミサイルを発射した北朝鮮、それも朝に6発、夕方に1発を日本海
に撃ち込み、眠れる我が国を叩き起こしたことに間違いない。何の意図が
あるかはまだ不明なものの、単純に挑発のためにしては7発もの弾道ミサ
イルを使わなければならない理由は無いだろう。いずれにしても経済制裁
が発動され、万景峰号の入港は半年禁止、北朝鮮への送金も許可制に切り
替え、締め付けをはかっていく。さらに融和路線をとり、足並みを乱しつ
つあった韓国も、さすがに距離をとらざるを得ないであろうし、事実、米
と肥料の支援を中止することとなった。

 

中露も発射中止の説得を続けてきたにも関わらず、発射を止められなかっ
たことで面子を潰された。安保理では米国にも同調する可能性があり、北
朝鮮は自ら孤立を深めていくこととなった。米国の金融制裁以降、全く打
つ手が無かった北朝鮮にとって、結局は瀬戸際外交で米国の関心をひき、
直接対話へと持ち込みたい、そんな単純な論理で動いていたのであるなら
そんな論理はとっくに破綻していたのは言うまでも無いことだ。北朝鮮
とって終わりの始まり、それが7月5日なのかもしれない。