自殺は犯罪か

自殺は犯罪かどうかについて考えてみたい。

他人を殺した場合には殺人罪になるが、自分を殺した場合は殺人罪にはならないようだ。
これは、犯人が死亡したために罪に問えないという理由ではないようだ。それは、自殺が未遂に終った場合にも殺人未遂で罰せられることは無いことからわかる。

それでは、自殺は全く違法ではない、つまり合法なことかというと、そうでもないようだ。自殺教唆や幇助は罪になる。もし自殺が合法なのだとしたら、その合法な行為の教唆や幇助で罪になるというのはおかしな話だ。

時代や環境が違えば自殺に対する考え方もかわる。江戸時代の日本では、心中は罪とされ、生き残った場合には処罰を受けた。その一方で切腹は名誉ある死とされた。
キリスト教では自殺は罪と考えられるようだ。しかしながら、場合にもよるのだろうが自殺行為が殉教として賞賛されることも多い。

自殺に対する社会の評価によって、自殺者の数はかわるだろうか。宗教的には限らないが、何か自殺に対する禁忌がある場合と、自殺によってたいていの罪は不問にされる場合では自殺をすることへのハードルはだいぶ違う気がする。