病気の子供はいるんだ

死ぬ死ぬ詐欺」という言葉を目にしました。
最初に見た、http://d.hatena.ne.jp/ipot/20060319/1142755645ではこう説明しています。

我が子が難病にかかり、その治療費料の名目で同情を誘い募金を募る詐欺。


また、以下のリンク先でも「死ぬ死ぬ詐欺」という言葉を使って街頭募金などについて批判的なことが書かれています。

(21日追記 上の3つのリンク先は消されてしまったようです。その理由に関してはhttp://gyroid-structure.txt-nifty.com/blog/2006/03/post_4fa5.htmlで説明されています。以下にあるのは、検索サイトのGoogleで「つれづれコラム 街頭募金の功罪」を入力して検索した結果です。キャッシュが残っている間は、消されたページも見ることが出来ます。)
http://www.google.com/search?q=%E3%81%A4%E3%82%8C%E3%81%A5%E3%82%8C%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%80%80%E8%A1%97%E9%A0%AD%E5%8B%9F%E9%87%91%E3%81%AE%E5%8A%9F%E7%BD%AA&hl=ja&lr=&inlang=ja&filter=0


もし、病気の子供がいないのに募金を募ったとしたら確かに詐欺だけど、病気の子供はいるわけで、それは別に詐欺ではないように思えます。

それはともかく、こういった個人の為の募金の場合は税金とかどうなるんだろうと思いました。「○○ちゃんを救う会」といった会が主体となっているとしても、法人とかではなく任意団体なんだろうし、仮にNPO法人などだったとしても特定公益増進法人として認められることは無いだろうからです。まあ、特定公益増進法人は募金をする側が税金の控除を受けられるかなので、募金をされた側の税金の問題とは別なのだけど。
あと、日本国内だと一定の自己負担限度額を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があるから極端に高い医療費は必要ないんだけど外国での治療には適用されないとか、いろいろ考えることは出てきます。

それから、「○○ちゃんを救う会」という具体的な誰かを救う為の募金というのは、集まりやすいのかなとも感じました。自分の知らない人ならば死んでも平気というか、そもそも知らないわけです。遠くの国で何百何千と言う人が死んでいるというのも実感を持って受け止めることは難しいでしょう。
それを、見知らぬ誰かではなく「○○ちゃん」という名前と、そして写真などにせよ顔を知っている病気の子供として認識した場合には、具体的な実感をもって受け止めることが出来るわけです。そして、幸いにして移植手術がうまくいった場合には、その結果も実感をもって喜ぶことが出来るのでしょう。移植手術によって助かった子供がいるということは、移植された臓器を提供した死んだ子供がいるわけですが、それはあまり実感がないでしょう。

死ぬ死ぬ詐欺」という言葉で書かれている対象は詐欺では無いと思うというのは、上にも書いた通りです。しかし、もし詐欺を行うことで我が子の命が助かるとしたら、親は詐欺ぐらいするものだとも思います。