わずかに有害

「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズの5作目にして最終巻の「ほとんんど無害」を読みました。
いきなり地球を消滅させてはじまったシリーズの最後にふさわしいといえばふさわしい終り方かもと思いました。

244ページからの“ありとあらゆる全般的ぐちゃぐちゃ”な宇宙に関する説明は、グレッグ・イーガンの「順列都市」に出てくる塵理論を思わせるものです。下の言葉などは「順列都市」からだとしても信じてしまいそうですが、「ほとんど無害」252ページからの引用です。

あなたの目には、あなたの宇宙は広大に見えるでしょう。時間的にも、空間的にも。それはフィルターを通して宇宙を知覚しているからです。しかし、わたしはフィルターをまったく持っていません。ですから、わたしは“ぐちゃぐちゃ”を知覚することができます。そこにはありうる宇宙のすべてがふくまれていますが、それじたいはまったく大きさをもっていない。


ほとんど無害 (河出文庫)

ほとんど無害 (河出文庫)