のだめカンタービレ最終楽章前編〜千秋のサクセスで後編へ

静岡東宝1階で17:30の回と20:00の回。入れ替えがないので2回見た。客入りはともに40人前後と少なくはないものの、ドラマの評判の割には肩透かしの入り。

テレビドラマの延長上の映画で、初見だと人間関係が分からないと思う。
つっても俺はドラマは見てないんだ。ドラマを見る習慣もないし、ドラマを見てる時間もない。
ただ、原作のコミックが好きでなー。すんぷ夢ひろばの天下泰平の湯という健康ランドみたいなところがあるんだけど、ここの休憩室に置いてあったの。1日風呂に入るつもりが、気がついたら最初に1回入って、あとは休憩室でコミックを1日読み続けてたw

すんぷ夢ひろばの状況 - NOW HERE

だからドラマも見たかったんだけどね。なかなか習慣じゃないことは出来ないもので。
ただ、たまに見た回に限って言うと原作の雰囲気をうまく具現化してた。キャラクターも模写に近いレベルで再現してたし、驚いた。
いいところはそのまま映画に持ってきて、さらに映画館の音響と映画予算だから許される海外ロケの魅力が加わって、素晴らしい出来になった。


話は千秋真一が常任指揮者になったマルレーオケの再生物語。
舞台はもちろんパリだし、登場人物で言えばのだめと千秋と黒木と松田が日本人、それ以外は全員外国人で、日本人だって日本人同士以外ではフランス語で話してるはず。なのに映画は全部日本語。
最初は、え?日本語かよ?とか思ったんだけど、その瞬間にギャグっぽく「都合上、日本語でやってまーす」みたいな断りが入った。はいはい、吹き替えなのね。と思ってたんだけど、どうも雰囲気が自然。


なんでだろ?と思ってるうちに気づいた。
外国人の登場人物として芸達者の竹中直人なだぎ武が出てるんだわ。この二人が日本語を話してても全然普通。よく考えればベッキーウエンツ瑛士が外国人と登場人物として出てるんだけど、この二人が日本語を話してても全然普通。さらに見ると、明らかにルックスは外国人なんだけど日本語を話してる衆がいるのよ。ハーフか留学生か知らんけど。中国系の親子も山田優片桐はいりだし。


だから計算すると、吹き替えになってる方が少数派なのよ。うわー、すげえトリック。吹き替えを補正しようと待ち構えているところに、その補正が必要なくなって、別の方向に補正が働いていくのだろうか、ぐいぐいとストーリーに入り込める。
こんな経験は初めて。

で、また取り上げてる曲がチャイコフスキーの「序曲1812年」ときたもんだ。
これは俺の大好きな「V・フォー・ヴェンデッタ」という、近未来の独裁者と戦う映画の中で印象的に使われてる曲。行進曲の部分で反射的に泣けちゃう。

Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]
Vフォー・ヴェンデッタ [DVD]
おすすめ平均
stars邦題がおかしい(−−;)
starsメッセージ性が強い
stars一流のアメコミ映画

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

前編までは原作にかなり忠実で、一種の爽快なサクセスストーリー。ただし、主人公であるのだめのサクセスじゃないところがミソ。
主人公であるのだめの大切な人のサクセスを受けて、さあ後編どうなるか。
挫折と栄光と挑戦と人間、この作品のテーマはそこにあると思う。それがらみの話は後編で。