Consequences of Converting Rain Forests to Produce Biofuels

Consequences of Converting Rain Forests to Produce Biofuels: 米国サイエンス誌およびALC社English Journal誌の「バイオ燃料生産の影響認識の深化」
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 バイオ燃料生産原料と農産食糧の競合については既に問題が顕在化し、バイオ燃料原料を非食糧バイオ資源に限定すべきことが唱導されているが、未利用熱帯雨林バイオ燃料原料の供給源を求めていることについて、ジョージタウン大学の上級研究員Tim Searchinger弁護士の「バイオ燃料の利用が温暖化ガスを増加させる」との論文が米国サイエンス誌に先般掲載され、新たな問題として関心を集めた。ALC社のEnglish Journal誌9月号が同研究員とのInterview記事を掲載したので、内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
 SANARI PATENTが理解するとぉろでは、コンテンツの論文は、バイオ燃料の原料から食糧資源を除外するのみならず、食糧資源以外の既存林についてもバイオ燃料原料化を不可とし、都市ゴミ、農業廃棄物、不毛地開発産物に原料を限定すべきであると主張するものである。熱帯雨林資源のバイオ燃料化による利得期待は否定されることとなる。

1. 今次論文の本旨
1-1 本質的にはこの論文は、バイオ燃料を作るために肥沃な土地を利用した場合、地球温暖化ガスを増やす可能性があることを示している。現在実用化しようしている殆どすべてのタイプのバイオ燃料が、地球温暖化を助長すると予測するものである。
1-2 すなわち、バイオ燃料用の作物を育てるためには土地を利用する必要があり、その土地は既に大気中から炭素を吸収している。多くの場合、そこは長年にわたり森林・草原の形で炭素を吸収し続け、植物と土壌に炭素を蓄えている。その伐採は、長年にわたり大気中から除去し蓄積した炭素を放出する結果を」もたらす。
1-3 しかし、そうでないタイプのバイオ燃料もある。例えば、都市ゴミや農業廃棄物などの廃棄物を利用してバイオ燃料を作ることができれば、結果的に現在の土地の利用法も変わらず、地球温暖化を緩和できる。現在は森林や作物を生み出すに役立っていない土地に、植物を生育する機会ができれば、それは地球温暖化防止に役立つ。
2. この問題への認識の欠如
2-1 最近まで、この問題は十分に認識されず、土地利用の変化によりどれだけ地球温暖化が進むかを数量化せず計算しないままで、バイオ燃料が論じられてきた。
2-2 アマゾンの熱帯雨林では現に、バイオ燃料資源を得るため、また価格が高騰した作物を得るため、森林が切り拓かれ、焼き払われ始めている。バイオ燃料が気候変動に対する決定的な解決策になるという考えは、明らかに間違っている。

3. SANARI PATENT所見
地球温暖化防止専一で洞爺湖サミットも行われ、その方向で前進しつつあること自体を否定すべきではないが、温暖化防止に伴う副作用現象や、北極海下の資源採取容易化・北極航路開設などの温暖化メリットの指摘も総合検討し、諸国の立地や産業発展段階により異なる温暖化防止措置の影響を明示しつつ、政府間合意に至ることが、国際協調のため極めて重要である。
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