特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

早く定年にならないかなあ:映画『ビッグボーイズ しあわせの鳥を探して』

1年のうちで東京のベストシーズンは間違いなくお盆休みだと思う。電車も街も人が少なく、ゆったりとした感覚が味わえる。お店も映画館も空いているし、こころなしか空気まで澄んでいるように感じる。
例の『エネルギー・環境に関するパブリックコメント』は8万通も寄せられたそうだ。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120813-00000043-jij-pol
これで国家戦略室の役人のお盆休みは返上だろう(笑)。でも、これから、どんな悪巧みをしてくるかわからないからなあ。

                                                 
新宿で映画『ビッグボーイズ しあわせの鳥を探して

東京では地味〜に単館上映されているコメディ。 出演はジャック・ブラック、パリ帰り(笑)のオーウェン・ウィルソンミッドナイト・イン・パリ)、スティーヴ・マーチン、ダイアン・ウィーストアンジェリカ・ヒューストン、製作総指揮はベン・スティーラーという豪華なキャストなんで、これは見に行くっきゃない。
1年にどれだけ多くの種類の野鳥を目撃するかを競う、アメリカ探鳥協会主催のコンテスト「ザ・ビッグ・イヤー」に参加した3人の男たちを描いた、そんなお話。
●3バカトリオのマヌケ面が好き!

3人は仕事も家もほったらかしで、鳥を追ってアメリカ各地を飛び回る。鳥業界?ではこの季節ではアラスカ、この季節では中西部とか、季節に応じた鳥の見方があるらしい。だからコンテストに勝とうとしたら莫大なカネと時間をかけて、アメリカ中を飛び回らなくてはならない。
その3人のキャラが面白い。
ジャック・ブラックが演じるのはなんと原発の技師。30代半ばで×1、彼女なし、マザコン原発の安全よりバードウォッチングを優先する男だ。映画の中ではそれでもいいです(笑)。
ティーヴ・マーチンが演じるのは大企業の初老のCEO。大自然のなかでバード・ウォッチングの真っ最中でも携帯にビジネスの電話がかかって来る。週1回しか飛ばないアラスカ行きの飛行機に駆けつけるため、M&Aの交渉先から空港までヘリを飛ばすような生活。
オーウェン・ウィルソン演じる不動産ブローカーはバードウォッチングの記録を持っている。記録のためなら手段を選ばない。趣味が原因で前妻と離婚したあと、金髪でセクシーな奥さんと結婚したばかりだが、家はほったらかしのまま。
アホで奇想天外な話のように見えるが、この映画の原作はアメリカの1998年年間バードウォッチング競争のノンフィクションだそうだ(笑)。

ザ・ビッグイヤー 世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲

ザ・ビッグイヤー 世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲

互いにライバルの3人の鳥バカがいがみ合ったり助け合ったりしながら、アメリカ各地の自然を旅する光景は美しい。南部、西部、アラスカ、アッツ島、東部、鳥を追ってどこまででも行く(笑)。

1年後、3バカ男はそれぞれ、代償を払うことになる。どういうものかは大方想像はつくので(笑)、映画としてはそれが欠点になってしまう。だけど現役生活を続けるか、リタイアしてバードウォッチングを取るか悩みながら旅を続けるスティーヴ・マーチンの姿は印象に残った。穏やかな田舎暮らしって、どうしてもあこがれてしまう。
はやく定年にならないかなあ〜。