『日韓共鳴二千年史―これを読めば韓国も日本も好きになる』名越 二荒之助編著

おおざっぱに言えば、読売・産経の立場で親韓を本気でやるとこうなるという熱の籠もった力作。まぁ、歴史観には同意する部分もしない部分もあるが、悪い本ではないと言いたいところ。ただ、やはり事実関係について怪しい部分も。白村江の戦いの倭の戦死者をまつるのはいいとして、「日本発の対外戦争の戦死者」という評価は、「日本」の起源の定義にもよるので一概には言えないと思われるし(広開土王碑にある400年前後の争いについて、その内容にはまだ論争はあるが倭人が参加した争いの存在はほぼ史実と認められていると思われる他・・・)、サンフランシスコ講和条約に韓国が参加できなかった経緯にも諸説あるなど、本書をうのみにするのはお勧めできないが、色々読む中の一冊としては悪くないのでは。日韓親善を心から願って著された力作であることは間違いない。