「鉄壁の財務体質」北越急行 (4) 減損会計編

http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20150131 のつづき。

http://www.hokuhoku.co.jp/company.html
第31期貸借対照表(平成27年3月31日現在)(単位:千円)

科目 金額 科目 金額
流動資産
1,697,846
流動負債
813,790
固定資産
12,935,262
固定負債
22,941
負債合計
836,731
資本金
4,568,000
利益剰余金
9,228,376
純資産合計
14,833,108
資産合計
14,633,108
負債純資産計
14,633,108

前年度の決算はこちらを参照。「はくたか」廃止直前の決算は赤字決算ということが意外だったのだが、特別損失として2,473,104千円を計上している。前期末の鉄道事業固定資産は2,838百万円*1だったこと、また特急車両27両をJR西日本に売却していることから、売却後の固定資産を備忘価格になるまで減損処理(実質的には加速償却)かけたことになる。現時点では「鉄道事業固定資産」と「投資その他の資産」が区分表示されていないが、おそらく鉄道事業固定資産は100百万円を割っていると考えられる。そうなれば減価償却費はほとんどないに等しい。
2016/3月期の業績予想は「売上高が前期比87%減の6億円、経常損益が3億円の赤字、最終損益は5億円の赤字」*2と見ているが、償却負担が大きく下がった中、さらに営業外収益(債券利息)を見ていないのではないか。また、本年GWの輸送も臨時列車を運転するほど好調であったことから*3、2015/3月期の営業外収益実績(406,758千円)と兼ね合わせると、実態はこれより赤字額は少なくなる可能性もある。そういう意味では、2016/3月期の決算がどのように展開されるか気になる。

【参考】
http://togetter.com/li/839614 ← まとめてみた

「鉄道会社と財務諸表」その後の答え合わせ


http://d.hatena.ne.jp/SY1698/00010001/ ← 紹介
去年に作った「大井川鐵道」編は、その後エクリプス日高がスポンサーとなって再建という話が出てきたばかりで、今回作った「北越急行」編は前述した決算となった。「本業の手法を趣味にぶち込む」以上は、一手先を見据えた内容にしなければならないと考えてはいたが、書いてからどう展開するか読めない面があるから、変なこと書いてないか不安ではあった。「薄い本」の割には読者に財務諸表の専門知識を要求するエグい代物になっておりますが、そこはご容赦のほど

「財務会計基準機構」に入る予定はありません(ガチ)

http://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/services/asb/01.html
決算短信の右上についてるマークは、東証が「入れ」といってテラ銭を要求する団体に入ると付けられる。むしろ付けていないと企業名を晒されるのだが、そんなものガン無視で突っ走る東京製鐵がすばらしいw

当社は現段階において、今後の加入を予定しておりません。

「検討します」ではなく「加入を予定しておりません(誰が入るかクソボケ)」と言い切るところが、新日鐵にことごとく喧嘩を売り続けてきた企業らしくて素敵w だいたいこの会社、一切の関係会社を持たず「単体決算」主義を貫徹しているところも尋常ではない つよい つよすぎる