六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

訃報:タニス・リー氏

 今朝、モリーさん(id:Moriyamaさん)のハイクのエントリーで知った。密かに公式サイトにメッセージが載せられ、Wikipediaに「-2015年5月24日」の文字が書き加えられているだけで、おおよそニュースにもなっていない。
 大学生協の書籍部の新刊コーナーで『月と太陽の魔道師』を見つけ、表題に惹かれて読んで以来、発売される本は次々と買って読んだ。『月と太陽の魔道師』は、たぶん日本で最初に発売された彼女の翻訳本だったと思うから、日本ではごく初期から彼女の本のファンだったことになる。20代の私はタニス・リーロバート・A・ハインラインで生きていた感じだった。剣と魔法版ロミオとジュリエットこと『影に歌えば』は凄く好きだったな。水星の名を持った某登場人物が死んでしまった時など茫然自失状態に陥って何もできなくなったっけ。ありがとう、素敵な世界を。
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乙嫁語り 7

 スミスさんが旅の途中で滞在するペルシアの大金持ちの奥さんアニスの物語。妻は4人までというからイスラム
 アニスはとても愛されていて、小さな息子が一人。幸せなはずなのに、鳥や猫を相手に大きな屋敷で一人で時間を過ごし、ふと寂しくなることがある。侍女マーフの助言で、お風呂屋さんへ行って姉妹妻になる相手をさがす。結婚して子供のいる女性同士が契りを交わし、お互い以上に親しい相手を作らず一生の親友となる女性同士の結婚のようなものらしい。アニスが気に入ったのは彼女と正反対にふくよかで良く食べるシーリーン。お風呂屋さんが主な舞台なので裸ばかりの巻。
 私だったらそんなめんどい制度イヤだけど、アニスは可愛かった。まぁ厳しい時代の厳しい世の中、助け合う同性の友人が必要というのはわかる。私がそんなところに生まれていたら、変わったことやって総スカンくって一人で野たれ死ぬことになりそうなので、現代の日本に生まれて助かったことだ。友情を全否定しているわけではないのだけど、女性同士のベタベタな関係は苦手。本で読んでいる分にはまだ良いけれど、現実の世界でそんな関係を想像してみると「ぎゃー疲れるー助けてー」って気分になる(^^;。