2015/07のライブ観賞 9本

7/2
タイヨンダイ・ブラクストンってライブはどうなんだろうな?って思ってたけど、アブストラクトなダンスミュージックと化して強烈。LRを活かした重低音とか足の裏がくすぐったい。上がり続けそうなとこあっさり変えるとか、ヤバい。宇川直宏とドミューン組の映像も終始サイケ!
今年は念願のスクエアプッシャーが「は?」ってなモンで3曲ほどで退場したのでそういう不安があったのだけど、当たり前に関係なかったなw この手のライブで一番やられたのは池田亮司の『Supercodex』だったけど、全く違う手ながらタイヨンダイのはタメ張るぐらいの印象。

7/7
牧野貴による『北走譚』を解体した映像と、それのインスパイアで大友良英の即興演奏。大友の演奏はアクションダイレクトという形容でいいと思うのだけど、1時間近いセットでこれだけ終始アグレッシヴな大友というのは知らんかったヤツ。
3Dも使った牧野の映像はよーわからんしそれでいいんじゃ?と思うのだけど、ほぼ抽象的に仕上げているのにつまらん映像にならなくて、大友の音と合わせて今夜のこのインパクトは、ちょっと簡単には纏めきれない。
すみません、トークのセットは端折って帰ってきました…。1週間前に3時間もトーク聞いたし、今夜はあの1セットで十分だったし。

7/17
DJのHakobuneの音と絡みつつ始まった今井和雄はギター独奏。これが終始アグレッシヴなアプローチ。最初から最後までテンションが落ちず、かなりの音がかき鳴らされたのに惹きつけられ続けたのは、あそこにはしっかりとしたリズムが聴き取れたからだと思う。口あんぐり。
ラストはVJとサックスの中尾勘ニとエレクトロニクスの玉響海月を加えたグンジョーガクレヨン。オレ、グンジョーの3枚のCD持ってるのだけどライブは初めてで、それがなんか全然違う事になっててちょっとあ然。ずっとヘヴィーに音がうなってて、調子悪い時だと耐え切れんかも…。

7/19
昨夜のMatmosフェス。インパクトがあったのはJeff Carey&Jojo広重ドラびでお。強引に音が敷き詰まってくのが心地良くて、そこにドラびでおのレーザーが視覚も攻撃してくるので見てる方はずっとトリップw
名前も知らなかった大トリ前のPainjerk。ラップトップ1つで撒き散らすノイジーは昨夜一番シリアスに響いたけど、ずっとグルーヴを持ってるとこがカッコよかった。
大トリのMatmos。音の楽しさと緩いセンスの映像は長丁場の色々をポップに閉めてて、過度のアルコール摂取と疲労感もまあこれなら仕方ないなwという気分になった。

7/20
今夜は久々にヘヴィーな展開の予想出来るイベントに足向け。 1stは黒澤勇人+加藤裕士。黒澤がアコギをテーブルトップで扱って加藤は卓でエレクトロニクス。若いこの辺の音を出す連中の音は、色々抜けてきた素直な音。拗らせてそうでそうじゃなかった。
Shintaro Tanakaはピアノ弾きつつラップトップが音を発するのだけど、ちょいリリカルの度が高い。即興苦手な層に向く音。
トリは笙の石川高。久々に石川の音をソロで聴いたけど、西洋の楽器に比べたら不器用な楽器が音色だけでヘロヘロにしてくれるのはヤバすぎる。

7/22
Evan Parker、土取利行、William Parkerの「超フリージャズコンサート」は、草月ホールなので当然ライブハウスとは違うし、タバコとかアルコールとかが手元に無い状態で演奏に接する事になるので本来は好まない。けど、今回は特別なヤツだから。
そうやって冷静に聴くという状態は色々と気付く。バランス的に音が弱くなってしまってたウイリアム・パーカーは舐めるような指の動きで凄く繊細。フリージャズの猛者を支えてきたあの指を見てたら思う事多々あったな。
土取利行はパーカッション的なアプローチ。そういうのって軽いんだけど、土取の音は落ち着いてて、躍動感みたいなのがあってちょっと驚く。こういうのは日本人の音ではあまり聴かない。けど、土取の音は凄く日本人を意識させる。
一番強烈だったのはやっぱエヴァン・パーカーのソプラノの循環奏法。あれは圧巻としか言い様が無いヤツ。あれ聴いたら落ち着かない気分になるよ。
2回のアンコールあわせて1時間半をちょい超える感じだったけど、只管フリージャズという事じゃなくてウイリアム・パーカーがディジュリドゥ風な尺八みたいなの使ってどっかの民族音楽っぽい展開とかあって、構成が凝ってた。只管フリージャズも好きだけど、こういう余裕も嫌いじゃない。

7/25
ジャジーな演奏から始まった大友良英山本精一。この2人でこれとか笑えると言うかカッコ良すぎwってなって、スゲー愛想のいいPete Namlookのようなアンビエントとか、アンコールでの弄り倒した「教訓」とか、こんな楽しいオルタナあんのか?ってライブだった。

7/26
結構久々に見たPara。あれはヤバいっていうか凄い。
んー、なんとか言語化しようと考えたんだけど無理だ…。音が体に直接的すぎだった。

7/30
1stは色々組合せてのセッション。道場+JOJO広重は道場セッションでは異質な感じだけど、勢いで持っていってて、細々しないとこが爽やかにすら思うw 八木美知依とJUNKOのセッションは聴いたことが無い類の強烈。この2人なにかがおかしい…。日本を代表する危険な二人。
道場と坂田明は結果的に今夜一番落ち付きのあるヤツ。この組合せは知り尽くしあってるので、多分今夜的にはここは抑え目という事だったろうけど、坂田さんのクラリネットの音がたまらん。 本田珠也とT美川。ノイズとビートが渾然一体するとこ、インダストリアルに纏まら無いのがカッコよかった。
2ndは当然の道場+JAZZ非常階段。ジャズ非は何度か見てるけど、今夜のが一番ヤバかった。何故か一番考え込んで音を入れているのがJOJO広重って印象で、本田は出し切るように叩きまくって、坂田さんは普段よりヴォイスの咆哮が長い!
JUNKOのノイズヴォイスと美川の他とは違うアヴァンなノイズはやっぱ非常階段。ま、着眼点で色々だろうけど、八木さんのJSBXにおけるベースの様な十七絃箏が半端ない。珍しくセットを終始十七絃箏に徹した事で音のバランスが出来上がってて、ビートも上の音も全部が聴こえたと思う。