才能の無駄遣い

鍾會是荀濟北從舅、二人情好不協。
荀有寶劍、可直百萬、常在母鍾夫人許。會善書、學荀手跡、作書與母取劍仍竊去不還。荀勖知是鍾而無由得也、思所以報之。
後鍾兄弟以千萬起一宅、始成、甚精麗、未得移住。荀極善畫、乃潛往畫鍾門堂、作太傅形象、衣冠
状貌如平生。二鍾入門、便大感慟、宅遂空廢。
(『世説新語』巧芸第二十一)


あの鍾会さんとその従甥荀勗さんは同族嫌悪で仲が悪かったそうだ。




で、荀勗は百万(銭?)の価値がある宝剣を所持していて母に預けていた。



鍾会は他人の筆跡を真似るという特技を使って荀勗の母(鍾会の従兄弟である)から宝剣を騙し取ったという。




荀勗は当然誰の仕業かわかったが証拠が無いためなにもできずにいたが、常に復讐の機会を狙っていた。





そんな折、鍾毓・鍾会は一千万もの費用を投じて絢爛豪華な邸宅を新築し、あとは引っ越しを待つばかりとなっていた。



そこで荀勗はその家に忍び込み、彼が得意としていた写実画で鍾繇さんの絵を門に書いてやった。





鍾毓・鍾会はそれを見ててっきり父親の亡霊が現れたと思い、その新築の家を放棄してしまったという。


あんな畜生が化けて出る家に住みたくないと言う事なのだろう。







鍾会さんも荀勗さんも完全に私的なことに類稀な才能を浪費してる感が半端ない。




やはりあの超絶畜生の血は争えない。