アマチュア無線LAN

半年ほど前から古くなったipodipod touchに切り替え、久しぶりにアップルユーザっぽい感覚を味わっている。
 

正直、最初はタッチパッドというインタフェースに猜疑的だったのだが、なるほどここまで作り込めば新たな境地に辿り着くわけだ。
よくアップルはデザイン重視で機能性は二の次になっているという意見を耳にするが、そういう人は一度アップル製品を使い倒してみるといい。アップルほどインタフェースを真剣に作り込んでいる会社は、そうそうない。
ipod touchのインタフェースについて語りだすときりがないので、またの機会に譲ることにして、今回はこの製品を使用する上での不満について。
とはいえ、この不満はipod touch自体に起因するものではない。日本の通信事情の問題だ。
ipod touchには無線LAN通信機能が備わっている。通信機器であるiPhoneと同一のアプリを利用できるとあって、モバイルを意識した良質なアプリが多数存在している。
しかし、ことごとくこれが使えない。
使えないというのは、ハードウェアの制約でもなければソフトウェアの制約でもない。インフラからくる制約だ。このハードウェアを持ち歩くようになって、今さらながら日本のワイヤレス通信事情の問題に気付いたというわけだ。
 
よく巷間では無線LANのスポットをうたう場所を目にする。しかし、自分が契約しているプロバイダではこれがことごとく使えない。使えても高すぎる。1日300円というのは、実質的に定額制の携帯電話を持ち歩く人間にとって、「はいそうですか」と気軽に払える金額ではない。納得しかねるのは、気軽に安価に無線LANを利用するための環境なんてものは技術的には何の苦労もなく構築可能だという点だ。おそらく、この「技術的には」というところがポイントなのだろう。技術的ではないところに、安易に繋がれては困る理由があるのだ。
 
さて、我が家の無線ルータには暗号化を施していない。我が家の近所で適切なIPアドレス設定を行えばインターネットに接続できるはずだ。盗まれると困る情報は持ち合わせていないので、仮にハッキングされても実害はない。そもそもPC側には相応の対策を施してあるので、相当その気にならなければハッキングはおろか存在さえ特定できないんじゃないだろうか。
 
アマチュア無線では、他人のやりとりも聴きたい放題だし、遠くにいる者同士が通信できるよう、会話の中継や電波の増幅をユーザ同士が行うと聞いたことがある。無線LANでもこれをやればいいのに、と思う。思うがなかなか実現されないのは、やはり大人の事情?盗まれても大して困らない情報しか詰まっていない個人PC用の無線通信にまで、ほぼ自動的に暗号化(認証)技術を施す無線LAN製品の「行き過ぎたサービス」も、このあたりと無関係ではないんだろう。
 
みんなで無線LANの暗号化設定を解除しよう。
差し当たり、会社の隣のマンション住民だけでもそうしていただけると大変ありがたいのだけど。