悪人(評価:★★★★)

この頃なんだかものすごく忙しく、ブログの更新が儘ならない感じです。正直言って、仕事さえ儘ならない状況だったりするので、どうかご勘弁くださいまし。
悪人は先週あまりにも忙しく腹が立ったので気分転換に観にいったのだけれども、どうも全然感想を書いている余裕がなかった。でも、是非とも感想を残しておきたい作品だし、観劇後長い間をおいてしまうと、書きたかったことを忘れてしまいそうなので、無理をしてでも書いておくことにしたわけです。
 
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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
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1.評価
死ぬまでに何度かこの作品を観ることになるだろう
★★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
 
2.基本情報

 
(2010年/東宝/139分)
 
監督   :李 相日
原作・脚本:吉田修一
出演   :妻夫木聡
      深津絵里
      岡田将生
      満島ひかり
      樹木希林
      柄本 明
 
一人の女性を殺害してしまった男。
彼は再び別の女性と出会う。
そして、二人は逃避行へ。
なぜ彼は殺したのか。
なぜ彼女は共に逃げ続けるのか。
そして、本当の悪人は誰なのか。
 
3.コメント
深津絵里が好きだ。正確に言えばたぶん、深津絵里的なものが好きなんだと思う。じゃあ、深津絵里的なものってなんなのかと聞かれても、うまく言葉にできない。深津絵里は僕にとって、言葉にできないものの総体のような存在だ。
この作品は、公開の直前に深津絵里がなんか有名な映画の賞(覚えていない。仮に象印賞としておく)を受賞してしまったことにより、平日だというのに沢山の人が観劇に来ていた。でもたぶん、その大抵は象印賞に釣られてやってきた人々であり、別に深津絵里的なものに惹かれてやってきたわけではないだろう。妻夫木君的なものに惹かれてやって来た人の方が余程多いだろうな。妻夫木君も妻夫木君的ではなかったけれども。
 
さて悪人。
結構重たいストーリーの中で思ったよりも穏やかな心象描写だとか、妻夫木君的なものを最後にしか見せなかった妻夫木君の好演だとか、被害者の言葉を通じて加害者たる妻夫木君が(部分的にせよその核心が)肯定される結構見事なプロットだとか、後になって冷静に考えてみると結構凄い作品だったのだけれども、観劇中の僕は、ただただ深津絵里の姿ばかりを追いかけていた。 
ただただ、深津絵里が美しかった。いわゆるゴージャスな美しさじゃないことは、普段の深津絵里を見ていれば容易に想像がつくだろうし、あいかわらずその美しさを上手い言葉で表現することができないのだけれども、女優にしては多すぎる「ほくろ」だとか、微妙に「しわ」があらわれはじめている肌だとか、ぎこちない笑顔だとか、ほつれた髪だとか、はっきりと主張しない声だとか、その全ての裏にあるエゴだとか、そういうもろもろの深津絵里的な立ち姿に、すっかりあてられてしまったのだ。帰りの車では音楽が聴けなくなってしまったほどに。
 
女って、なんでこんなにばかで強くて美しいんだろう
男って、なんてこんなにばかで弱くて我がままなんだろう
 
帰りの車では、ずーっとぼんやりとそんなことを考えていた。
 
もちろん、全ての男と女のことを言っているわけじゃないので、この文書を読んで僕のことを心の中でけなしたりするのは構わないけど、中傷のコメントをしたりしないでくださいね。Don't take it personalです。
 
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