Knight and Day(評価:★★★)

自由人(無職ともいう)の利点を活かし、折角平日の先行ロードショーに行ったのに、レビューを書くのがこれだけ遅れてしまっては台無しです。
 
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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
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1.評価
いろんな意味で安心
★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
 
2.基本情報

(2010年/20世紀フォックス/149分)
 
監督   :ジェームズ・マンゴールド
脚本   :デイナ・フォックス/スコット・フランク
出演   :トム・クルーズ
      キャメロン・ディアス
      マーク・ブルカス
      マギー・グレイス
 
何者かに追われる謎の男。
彼の逃亡劇に一人の女性が巻き込まれた。
彼女の運命を変える、彼の正体は?
 
3.コメント
超大作のハリウッド映画はいい。
なーんにも考えずに見られるから、帰りは音楽をガンガンにかけながらご機嫌に帰れるし、
ストーリーなんて忘れちゃっても問題ないし。
感想だってそう、「たのしかった」か「つまんなかった」でほとんどの説明がつくし。
 
まあ、今回の映画も一言でいえば「あーたのしかった」なんだけど、
さすがにこれじゃあレビューを書いている意味がまったくないので、もう少しだけ。
 
トム・クルーズキャメロン・ディアス
この映画の売りは、なんといっても主演俳優と、その役柄設定でしょう。
トム・クルーズはとことん強くてとことん気が利いてとことん優しくて、
そりゃあもうまさしくKnightです。
キャメロンがピンチになれば、スペインだろうがロシアだろうが、
絶妙のタイミングで歯の浮くようなセリフとともに現れる。
一方のキャメロン・ディアスは、
デビュー当時のような綺麗さや若さはもはや望むべくもないけれども、
その微妙な「よれ具合」を味方につけていた。
セックス・アンド・ザ・シティ」じゃないけれども、
いわゆるアラフォーの女性の「失っていそうで失っていないチャーミングさ」というのはたまらない。
 
・・・最近、こんなのばっかりだな。
 
○いかにもハリウッド娯楽映画的な
ハリウッド映画が好きなところは、セリフ回しやストーリー展開がいかにもアメリカンなことです。
複線一つとっても、ストーリーに対する複線よりも、
セリフ回しでの複線の方を重視しちゃうところとか。
この映画に関して言えば、劇中トムが使っていた幾つかのセリフを、
最後にキャメロンが良いとこ取りしちゃって爽快だった。
あそこで
"With me,without me...



with me,without me"
ってやられたら、
トムじゃなくても、相手がキャメロンじゃなくても陥落するわな。
 
それと、シリアスっぽいシーンが、
実は一つ冗談を俳優に言わせるための場面だったりするのも素敵だ。
お金に関して真面目な日本人では絶対できないと思う。
この映画では、スペインでの銃撃戦のシーン。
キャメロンを救出し、ラスボスを追い詰めるトムに、
自白剤を飲まされたキャメロンは後ろでずっと
「ようやく会えたのにうれしくないの?」とか
「今すぐセックスしたい気分。最高のセックス」とか言ってる。
こういうのって、世界中でもハリウッドにしかできないよなーと思う。
 
○魔法の薬
この映画では、一つだけ画期的な演出があった。
それはプロテイン・ゼロ。
二人が絶対絶命の状況に追いやられると、
どちらかがこの「プロテイン・ゼロ」を取り出し相手に飲ませる。
そうすると、飲まされた方はコロリと気絶する。
その薬の効き目が切れた時には、
何事もなかったかのように次の場所(とんでもない遠く)に移動していて、
既に絶体絶命の危機は回避されている。
 
二回目に登場した時には
「そりゃあ反則だぜ」
と思ったのだけど、
他のことには随分神経質に疑心暗鬼になっている筈のキャメロンが、
この「プロテイン・ゼロ」だけは何の疑問も抱かずに飲んでしまうところで、
「あ、これもまた金のかかった冗談なんだな」
と気付いた。
果たしてその通りで、最後にはしっかりトムが飲まされていた。
 
日本人がこの脚本を書いたら、間違いなく干されるだろう。
本当にハリウッド映画界には頭が下がる。
 
 
とまあ、この映画の面白いところは全て話してしまったのだけれども、
ネタバレがあった後でもなお、笑えるおしゃれな作品だと思う。
「理想の男なんてこの世にはいない」と嘆く女性と、
なぜだかアラフォーに惹かれる(若い女性にはついていけない)男性と、
難解な映画に疲れた全ての人にお勧めします。
 
特に、アラフォー好きに勧めます。
おれなんて、この映画見た帰りに
TSUTAYAでキャメロンのまとめて借りてしまったもん。
 
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