県庁の星(評価:★★★)

決して暇なわけではないのだけれども、家にいて子供の帰りを待ったり仕事が来るのを待っていたりと、いわばアイドリングの時間が長いので、この頃は結構DVDをレンタルして観ていることが多い。
映画を映画館で観ることはもちろんスペシャルな体験なのだけれども、後々から振り返れば、DVDをレンタルして観ることだって大した違いはないので、気が向いた時にアップすることにした。
報告のフォーマットはもちろんまどかっつ氏のフォーマットに準拠するが、ランキングには反映しない。
 
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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
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1.評価
青島君ができるまで
★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
 
2.基本情報

 
(2006年/東宝/131分)
 
監督   :西谷 弘
原作   :桂 望実
脚本   :佐藤信
出演   :織田裕二
      柴崎コウ
      佐々木蔵之介
      和田聰宏
      紺野まひる
 
県庁のキャリア公務員、野村聡はプライドが高く組織の中でいかに出世するかが人生の目標という極端なキャリア志向の持ち主。ある時彼は県政の目玉プログラムである民間企業との人事交流研修のメンバーに選出される。ところが、派遣されたのは田舎の三流スーパー。それでも出世のためと意気込む野村だったが、書類とマニュアル優先の仕事しかしらない野村は、現実主義で実践派である教育係の二宮とことごとく衝突してしまうのであった。
 
3.コメント
踊る大捜査線3には裏切られたけれども、未だに織田裕二には青島君の影を見てしまう。この作品だって、織田裕二が主役じゃなきゃ手には取らなかっただろうと思うし、それは実際に映画館へ足を運んでいたとしても同じことだろう。それぐらい青島君は僕に影響を与えている存在なのです。
 
で、このお話なんだけれども、主役に織田裕二を使いたい制作側の意図が痛いほど伝わってくる。開始冒頭の"県庁さん"は、踊るシリーズに散々出てきたキャリア組そのもの。現場での教育係になった柴崎コウは、言わば踊るにおけるすみれさんと同じ役割。中ボスの石坂浩二警察庁や警視庁のトップエリートそのもので、次第に変わっていった"県庁さん"は、和久さんのいない青島君と、青島君を得た室井さんを足して2で割ったというところ。
この作品にはしっかりと原作があるんだけど、もし「トップ営業マンだった青島君が警察官になるまで」というスピンオフ企画があったとしたら、その観後感はこの作品のそれと随分似通ったものになったんじゃないかと思う。
なにかをやらかしそうな、おもしろい奴が登場するまでのお話。この作品を簡単に一言で説明すると、こんな風に説明できると思う。
 
こういう絶望の中の希望みたいな終わり方をするストーリーが求められる時代なんだと思う。でも、思い描いているだけじゃなくて、そろそろ実現しないといけないよな。
 

県庁の星 スタンダード・エディション [DVD]

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