宇宙兄弟(評価:★★)

娘と奥さんを「流山おおたかの森」まで送り、その後所在なくなってしまった。ブラっと映画館を覗いたら丁度上映時間、しかも本日は1000円と。そんなわけで観てきました。
 
 
———————————————————————————————
※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
———————————————————————————————
 
1.評価
終わり悪けりゃすべてダメ
★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
 
2.基本情報

(2012年/東宝/129分)
 
監督   :森  義隆
原作   :小山 宙哉
出演   :小栗  旬
      岡田 将生
      麻生久美子
      濱田 岳
      新井 浩文
      井上 芳雄
      塩見 三省
      堤  真一
 
 
(あらすじ)
子供の頃の夢をまっすぐ追いかけ史上最年少の宇宙飛行士になった弟のヒビトと、その夢を追い切れず、しがないエンジニアになった兄ムッタ。日本中がヒビトブームに沸く最中、ムッタは1人得も知れない感情に苛まれる。
そんな中、些細な出来事から職を失ったムッタの元にJAXAからの手紙が届く。そこには「宇宙飛行士候補生 第一次試験合格」の通知が入っていた。
 
 
3.コメント
毎週楽しみにしている週刊誌はモーニングという典型的な漫画好き中年で、当然この宇宙兄弟も読んでおります。
いやー、ムッタがいいんだ。このよれっぷり。この僻みっぷり。そりゃあそうだよね、仲の良い弟が宇宙飛行士になっちまって、しかも自分の昔の夢も宇宙飛行士だった。そしてなにより、そのスーパー弟に、自分の事をエラく買われてしまっている。ムッタじゃなくたってこうなるわな。
 
そして、そのムッタのよれっぷりと僻みっぷりを小栗旬がとても良く表現している。ワイドショーでは浮気したり山田優の尻に敷かれたりしているイメージばかりが先行しているけど、山田優がコントロールしていいレベルの役者じゃないね、この人は。
その他のメンバーもそうで、みんなちゃんと原作っぽい。特に伊東せりか役の麻生久美子が良い。でもこれは単に僕が麻生久美子が好きってだけかもしれない。
 
ブライアンが出てこないとかシャロンが出てこないとか、いろいろあるけど、まあストーリーはほぼ原作に忠実で、原作を読んでいる人には、「あー、そのまんまだー」という楽しみ方が出来た。
 
 
 
ラスト前まではね。
 
なんとなく、連作にするかどうか最後まで迷っていたんじゃないかなーという気がする。というか、僕はエピローグが流れ始めるほんの直前まで「あーこりゃ次回作があるのね、いいぞやれやれー」と思っていた。一作目のクライマックスは、ムッタが協力して月面で遭難したヒビトを助けるシーンで決まるんだろう、そう考えていた。そうだよな、あのシーンがあるから実はムッタには非凡な才能があるのかもしれんって事に成るんだもんな。
 
それが、ムッタが「チックショー」と敗北宣言を出した直後にエピローグがはじまり、あろう事か原作の時間軸まで飛び越え、原作がやるかもしれない「ラストシーン」まで描き切ってしまった。意味がわからない。「駄目な兄貴はその後いっぱい頑張って、とうとう兄弟で月面に立ちましたとさ」だって。
 
 
もうね、ポカーンですよポカーン。
やはり、この手の変化球なジュブナイルの場合、ラストというのは大事だと思うのね。具体的には、タイトルバックの前に主人公が語った夢が、ラストでどう実現されるかが大事。「俺、絶対宇宙飛行士になって月に行く」と言ったヒビトに、ムッタは何て言った?「なら俺は火星に行く」なんて言ってなかったっけ?
Final Fantasy 7じゃあるまいし、エピローグに乗せてなんとなく大団円にしちゃ駄目でしょ。こういうのは良くないよ。
 
 
というわけで、もの凄く惜しいのだけど、僕の物語観から著しく逸脱したラストだったため、厳しい評価を与えざるを得ません。
 
 
5.2012年度ランキング( 5/19時点)
(1)ベスト10
1 バトルシップ
2 ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 
3 テルマエ・ロマエ
4 
5 
6 
7 
8 
9 
10 

 
(2)ワースト3
1 宇宙兄弟
2 
3

(3)ランク外