ガンダムUC

友だちの小野君が仕事中に大けがを負い、病院に8週間も入院する事になった。利き腕と反対とは言え、片腕が包帯でぐるぐる巻きになっており、ゲームだとか読書だとか、おおよそ病人が楽しめそうな娯楽はなかなか難しいらしい。かわいそうである。
じゃあもう溜めていた「観たい作品リスト」を消化するしかないじゃんという事で、本作はその第一弾。もちろん僕が入院するわけではないが、お見舞いとして(という名目で)購入してしまった。
 
これがめっぽう面白いので、今晩はその感想を書いてみようと思う。
 
しかしなんか最近、こんな記事ばかりだなあ。 
あ、ガンダムに興味がない人は「戻る」ボタンを押してくださいね。たぶん、ちんぷんかんぷんなので。
 

まず最初に断っておくと、この作品はまだ完結していません。現在、第五話が発売されたばかり。来春に第六巻。そして最終話は来夏に劇場公開との事です。
初代ガンダムから脈々と続く、時代としては「逆襲のシャア」の2〜3年後の話で、作品全体としては難易度が高めに設定してある。アムロガンダムに乗ってから、アクシズがサイコフィールドの干渉により大気圏突入を免れたところまでの話すべてを、なんとなく押さえていない人には、正直言ってあまり楽しめないと思う。
具体的には、はめ込んだYouTubeの動画で「オードリー」として紹介されている女の子を一目見て、「あっ!」って思わない人にはお勧めできない。
こまごまとしたところを話してしまうとネタバレになってしまうので省くけど、この作品はそういう諸々が分かっている前提で、今までの話に繋がる小ネタ・大ネタをばんばん放り込んでくる。それはまるで「もうこれで一年戦争からのネタはおしまいですよ」と言っているようだし、実際にそうなんだろう。ラスボスレベルのネタをこれだけ盛り込んでしまったら、もうやるべき事はなにもないように思う。
そんなわけで、従来からのファンであれば、一話に一度か二度は確実にのたうち回る羽目になる。まったく困ったものだ。
 
さて、この作品を観ていて強く感じる事がある。
それは、今までと作品の描き方が大きく変わっていると言う事。
ガンダムを観て育った僕たち世代も確実に歳を取り、今やコアターゲットは30代後半から40代半ばくらいになるのだろう。今回の作品は一貫して、その世代を狙って描かれているように感じる。
主人公はもちろん今までの作品を踏襲し、まだ年端も行かない子供なんだけど、その主人公を見守る大人達が印象的に描かれている。というよりむしろ、大人達に感情移入するように仕向けられている。
主人公を囲む大人達は、決して主人公に何かを強要したり無理強いしたりしない。いや、するんだけど、常にカードを主人公に選ばせている。時には、自分の地位を犠牲にし、時には、自分自身の命を賭して。そんな大人達の姿に、自然と感情移入してしまう。
もう、ある意味では僕たち世代の時代は終わっている。この年齢になると、勝ち取るべき何かは僕たちよりも下の世代の為に残しておいてやる必要があるんじゃないかと思う。僕たちの役割は既に主人公ではなく、これから主人公になる子供達を導く脇役なのではないかと。この作品を観ているとそんな気持ちになるし、実際のところこの作品を通じて伝えたいテーマは、つまりそういう事なんじゃないかと思う。
 
まあ、まだ負けてらんないけどね。
 
小説版では既に完結しているこの作品。敢えて読んでいないのでどんな結末になるのかわからないけど、あと一年楽しみに付き合って行きたい。子供達が最後に勝ち取るのが何か?例の、わがままヘタレ野郎の「赤い彗星」はおじさんを代表して最後に何を残すのか。果たしてアムロは登場するのか?このやきもきがあと一年も続くのか・・・。

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