プロバイダによる現在の Winny 規制は間違いとした考え方の再補足
これまでいくつかの「おかしいんじゃないの?」を指摘してきた。
一つは、プロバイダがインフラになりつつある現在、ろくに説明もせず、かつ法的(あるいは公的)なバックボーンなしに業界(ISP)の意向で規制が行われている状況そのものがおかしい、という指摘。
補足では、規制そのものが法的に危ないんじゃないの?という指摘。
これらはプロバイダに対して「そのやり方はおかしいんじゃないの?」という指摘だった。
ここではプロバイダから言うべき「お前ら、プロバイダに規制させるのっておかしいんじゃないの?」という指摘をしておきたい。
ユーザさん、あんたらおかしいよ?という指摘だ。
まず。プロバイダとは何かを考えて欲しい。インターネットサービスプロバイダ。インターネット接続回線提供業者ってとこかな。どういう仕事で対価を得ているんだろうか。
簡単だ。ユーザに対して、インターネットに接続する回線を提供している。そうだよね?
もちろん、追加のサービスがあるのは別に問題無い。ストレージサービスを追加して、容量あたりいくら、とかのサービスがあってもいい。無料オプションでフィルタリングがあってもいい。ウイルスチェックで「セキュリティ対応」ってのは過剰広告だと思うけれど、まあ、いいだろう。
要するに、プロバイダは客に回線を提供するまでが責任範囲だ。そこから先は本来、客の側が自分で対処しなければならない。そういうものだった。
自分で TCP/IP プロトコルをインストールするところから始まった時代の人はわかると思う。今でもメーラの設定は自分でやるはずだ(かんたんセットアップ、なんてものがやってくれるかもしれないが)。
ウイルス対策にしても、クライアントで対策しておくべきもので、本来プロバイダが「ウイルスチェック」なんてやる必要はない。やっちゃいけないわけじゃないが、これはあくまでも「ウイルスチェックができないユーザがチェックをアウトソーシングしている」と見るべきだ。
同様に、spam フィルタも、spam チェッカを運用しきれない人がラベリングをアウトソーシングしていると見ていい。URL フィルタも、子供に見ちゃいけないサイトが何故いけないのか教えられない親が「有害サイト」あるいは「優良サイト」の判断をアウトソーシングしていると思えばいい。
多くは無料のサービスになっているが、回線使用料に薄く乗せられているということなんだろう。
あくまでもプロバイダの仕事は「会員に回線(とオプションサービス)を提供して、対価を得る」ことで、オプションサービスはその契約に従って、そしてそもそもの責任範囲は回線品質にのみ存在するはずだ。
プロバイダに Winny 対策をやらなきゃいけない責任はない。
そんなもんはユーザが判断することだ。
二次被害拡散防止、というが、それもプロバイダがやるべきことか?
プロバイダがどうしてウイルスに感染して情報漏洩をした馬鹿野郎の尻拭いをしてやらなきゃいけないんだ?
大多数の Winny と関係無い会員が払った回線接続料から高額な機器を導入してまで。
それっておかしくないか? プロバイダにそこまで責任を押し付けるのは間違ってないか?