JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

50MHz受信機のIF増幅段 その2

アマチュア無線技士国家試験に『受信機のブロックダイアグラム』の問題が良く出てきます。あるブロックが空白になっていたりして、ここに該当する言葉を入れなさい、という具合ですが、アンテナから入ってきた信号の波形や周波数をイメージすると簡単に解けるようになると思います。受信機を作って調整する際、まさにそれらを実体験できますし、マニアになるとそういうのに喜びを感じるようになります(笑)。

前回の続きで、受信機の心臓部に当たる中間周波増幅段の設計です。10MHz以下の中間周波を取り扱うので、そこそこのトランジスタでよいので(無理に高いftの石を使ったするとゲイン不足になったりV/UHF帯で発振したりする)、2SC2668を多用しました。IFTはFCZのものと、455KHzのIFTはラジオから取りだしたものを使いました(変換段と検波段)。第2中間周波変換はベース混合です。局発が水晶発振なのでベース発振でも安心です。第2IFでは455KHzのセラフィルを使っています。検波は普通のエンベロープ検波で、AGCを各中間周波増幅段に掛けます。低周波増幅段には過剰スペックですが手持ちパーツの関係上、TDA2030を使いました。22Vの電源電圧で18Wものパワーが出ます。今回は9Vの電源で放熱器なしで使います。

各段の波形を見てみます。まずは局発。10.245MHzの水晶で、無調整発振(抵抗負荷)なのでずいぶんと波形が汚いです。水晶に直列挿入したトリマコンで10.245MHzキッチリに調整しました。

次に1mVppの10.7MHzを入力し、混合段で出てきた波形です。少し局発の信号が出てきていますが(IF入力の信号が弱いため)、そこそこ綺麗に455kHzへ変換されています。

455kHzのIFTとセラフィルを通過した信号です。相当綺麗になっています。本来ならばスペアナで調べたいところですが、スプリアスは相当に少なさそうです(あー、スペアナ欲しい!)。

次に、入力に2kHzのAM変調(100%)をかけて、検波後の波形を見てみましょう。入力IFのレベルにも依りますが、そこそこ綺麗に復調されていますね。ここまでのゲインは67dB。

ところが、1kHzの変調波を入れると、復調信号に強烈な2次歪みが乗っています。検波段のIFTを調整してもなかなか綺麗な波形になりません。

検波段の調整は、実際の音を聞きながらにしたほうが良さそうです。